Athelete News
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19.05.18
あくなき挑戦
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今週の「Athlete News」は、女子卓球 元日本代表 平野早矢香さんです。

1985年3月24日生まれ。現在34歳。栃木県のご出身。
5歳で卓球を始め、仙台育英学園秀光中学校 仙台育英学園高等学校に進学。
卒業後はミキハウスに入社。
18歳で全日本卓球選手権・女子シングルス初優勝。その後2007年度から全日本選手権を3連覇達成。通算5度の日本一に輝きます。
そしてオリンピックでは2008年北京にて、団体戦4位。2012年ロンドンでは福原愛さん、石川佳純選手とともに団体戦で銀メダルを獲得。
男女通じて日本卓球史上初のオリンピックメダリストとなりました。
2016年に現役引退をしてからは、ミキハウススポーツクラフブ アドバイザーとして
後進の指導に務める傍ら、テレビ解説や、スポーツキャスターとして、卓球の普及のため、幅広く活動されています。


──先日、世界選手権で伊藤美誠選手と、早田ひな選手のダブルスが48年ぶりとなる銀メダルを獲得しました
伊藤美誠選手は14歳のときに、伊藤選手が平野美宇選手と5歳の時からペアを組んでいたんですよね


小さい頃からライバル関係だった2人が世界的にデビューという形で注目を浴びたのが、平野美宇選手と伊藤美誠選手のペアでした。
卓球はもともとダブルスの種目においては、右利き同士の選手が組むのと、左利きと右利きの選手が組むのだと、左・右のペアの方が有利と言われているんですよ。

──交代交代で打たなきゃいけないんですよね? ローテーションしやすいということですか?

そうなんです。どうしても右利き同士だとくるくる回ったりですとか、動きの形が、自分が打ってスペースを空けなければいけないので
右利き同士の方が動きの部分では難しいと言われているんですね。
左・右の方がパッと入って、パッと抜ける、すごく打ちやすい方法なんですね。
事情はあったと思うんですけど、早田選手と伊藤選手のペアが、今日本の卓球界では最強のペアになっていますね。

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──みまひなペアの強さはどこにあるんでしょうか?

私が感じる部分においては、早田ひな選手はサウスポーのパワーのある選手なんですね。伊藤選手は、バックハンドで少し異質型のラバーを貼っていて、変化球が出るのと、速さが持ち味なんですね。
この全く違う持ち味を持ってる2人がペアを組むことで、対戦相手は1ゲームずつ違う種類のボールを取らなければいけない、まったく違うタイミングのボールを取らなければいけないので、そういった難しさがありますね。

私が個人的に感じていることは、伊藤選手はやっぱり自分のスタイルを貫きたいタイプなんですね。
それに対して早田選手は、伊藤選手のスタイルに合った形、コース取りなんかを組み立てるのが上手いです。
早田選手は、一時期、平野選手とペアを組んで大会に出たこともあるんですけど、その大会でも優勝しているんですね。

──相手のいいところを引き出してあげるのが上手いんですね

ペアリングの形としては2人は合っていると思いますね。

──世界的に活躍を見せる日本代表ですが、何故こんなに強くなったんですか?

私が一番感じることは、まず、今の若手の選手達は本当に小さい頃から今の卓球界の中で時代の最先端の技術を研究して、“自分達から新しい技術を作っちゃおう”と、そういった技術を研究しているんですね。
男子選手で流行っていたチキータという技があって、チキータバナナの様に曲がるという、台上でバックドライブをするような技術があるんですけど。
反対方向に曲がる、今では逆チキータと言われているんですけど、そういった技をする選手は今までもいたんですけど、実際に世界のトッププレイヤーが日常的に、意識せずにパンと使えるっていう技術ではなかったので。そういった技を、伊藤選手とか、早田選手はどんどん使えるので。
こういったことに挑戦をしていますし、2014年にボールの性質がセルロイド製のボールからプラスチック製のボールに変わって、卓球が大きく変わった流れに選手たちが上手く乗っていけてるような、そんな感じはしますね。

──選手から見ると、プレー的にはどんな部分ですか?

私は今まで様々なルール改正を経験したんですけど。その中で一つ大きかったのが、ボールが38ミリから40ミリに変わったタイミングがあったんですね。
その時は、さすがに打った時にボールが遅いって感じたんですよ。
今回、2014年のプラスチックに変わった時は、“あんま変わりないな”と思ったんですけど、あんまり違いが分からなかったんですけど。
いわゆるサーブから、レシーブからのゲーム形式の練習をした時に全然違ったことがあって。何が違うかというと回転量が違ったんですよ。回転がかからなくなったんです。

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──そうなると技を出すのが難しいんじゃないですか?

私はプラスチックになって初めて気付いたんですけど、自分が回転をかけて相手にミスをさせるとか、相手のボールを飛ばすようにしてオーバーミスさせるとか、そういったことを考えながらやってたことが全部計算できなくなったんですよ。
回転かけたつもりがかかっていない、“パン!”と打たれちゃうみたいな。なので、試合をした瞬間に“これ、私引退だな”って思いました。

──回転量で言うと回転量自体が下がっているんですか?

回転量自体が下がっています。昔は守備型の選手とか、コントロール重視の選手が強いという時代もあったんですけど。
今はハードに打ち込む攻撃型の選手が強いですし、勝ち上がっているように見えますね。

──また、いつルール改正があるかわからないですよね

たぶん、この20年ぐらいでいろいろなルール改正があって。それは観客の視点からするとすごく楽しいんですよね。
選手は大変だと思いますけど(笑)。

──日本選手の活躍が目立ちますけれども、そうなると余計思わされるのが中国の圧倒的な強さですよね

今回の世界選手権も本当に強かったですね。

──中国に対して、日本はどんな対策をしたらいいんですか?

今の日本の選手たちというのは、中国の選手も怖がる武器をみんな持っているんですね。
たとえば、「石川佳純選手のこのボールだったら中国の選手に通用する」とか、「伊藤美誠選手のこのボールは中国の選手も嫌がる」っていう技術があるので、やっぱり分析が私は必要かなと思っていて。

中国というよりも、それぞれの選手には癖があるんですよ。かなり細かい分析をしていくことで、もう少し中国に対して恐怖心を与えるというか、そのあたりが必要なのかなと思うことと、もう一個、今回の世界選手権で思ったことは、今までは中国に対しては自分たちから一生懸命攻めないと勝てないっていう認識がみんなあって、自分たち一生懸命やっていたんですけど。
今回、伊藤選手、早田選手のペアで、ひとつだけちょっと違う形と思ったのは、相手が100%の力で打ってきたボールに対してカウンターブロックができたんですよ。
これをすることで、中国はかなりメンタル的な動揺が見られたと思っていて、今までは先手を取るんだってことを一生懸命やっていたんですけど、先手を取れない時にどうするかっていうことを考えた時に、一球、相手の強打をブロックできるっていうのはかなり大きな要素かなと思いました。

──番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。平野早矢香さんの心の支えになっている曲を教えて下さい

ナオト・インティライミさんの、「ガムシャララ」です。
私は現役の頃、音楽をたくさん聴いていて。いい曲を探すのが好きだったんですけど。
ナオト・インティライミさんの曲は元からすごく好きで、ちょうどロンドンオリンピックの時にずっと聴いていたんですけど、大会までもそうですし、大会期間中も自分のテンションを上げるために聴いていました。
歌詞も、私の感覚的にすごいフィーリング合う感じだったので、この曲を聴いてロンドンオリンピックの期間中戦っていました。

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