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19.01.19
プロ野球人生21年間を振り返って
今週の「Athlete News」は、元読売巨人軍監督 高橋由伸さんにお話を伺いました。

高橋由伸さんは1975年4月3日生まれ。
神奈川県の桐蔭学園高校から慶応義塾大学に進学。
6大学本塁打記録を樹立するなど、プロ大注目の選手として成長し、
1998年、長嶋茂雄監督率いる読売巨人軍に入団。1年目からスタメン入り。
新人外野手初のゴールデングラブ賞を受賞。
ベストナイン2度、ゴールデン・グラブ賞7度とジャイアンツの主軸として活躍。
7度のリーグ優勝、4度の日本一に貢献しました。
2015年10月、現役引退と監督就任を発表。
ジャイアンツのみならず、プロ野球界を驚かせました。
そして、昨シーズン監督を退任。 
今シーズンからは、読売巨人軍球団特別顧問、評論家としてご活躍されます。

今週と来週、2週にわたって高橋由伸さんにプロ野球人生、
そして、平成のプロ野球界、そしてこれからのプロ野球界についてお話しを伺っていきます!


──選手として、そして監督として、21年間巨人一筋でジャイアンツを引っ張ってこられましたけれども、
これまでの21年間を振り返って、今はどのような思いですか?


現役では18年。監督として3年間だったんですけども、ずっとユニフォームを着続けさせていただいたので、幸せでしたね。
初めてユニフォームを着ない一年が始まるので、なんかすごく不安というか、全く想像がつかないんですよね。どういう生活になるんだろうと思っています。

──いつかまた、指揮を取りたいという思いはありますか?

やはり、負けて終わってしまったので、負けたままで終わりたくはないなと思っていますね。

──一度、野球と距離を置いていろんなチームを見ることで、新たな目指すべき監督像が見えてくるのではないでしょうか。

そうですね。視野が狭かったというわけではないですけども、同じ位置からしか野球を見ていませんでしたので、ちょっと視野を広げていろんなものを見れたらな、と思っています。

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──やはり、高橋由伸さんというと、「天才」というイメージが強いのですが、ご本人としてはいかがですか?

「天才」という言葉を自ら受け止めるのは少し難しいのかなと思うんですけど、
でも、プロ野球の世界に入ってくる人ってみんな才能はあると思うんですよね。それよりも、その才能をどう活かすかの方がプロ野球になってからは大事ですし、その活かし方の差は出ると思いますね。

──松坂(大輔)投手なんかは1年目から活躍して、「自信が確信に変わった」ということを言っていたりするじゃないですか。
由伸さんは、プロに入ってプロでもやっていけそうだなぁと思ったのか、やっぱりプロのレベルって高いんだなぁと思ったのか…。


正直、キャンプは大丈夫かな…って思いました。
私が入ったときは松井(秀喜)さんがいたり、広澤(克実)さんだったり、各球団の4番バッターと言われる人がたくさんいて、みんな僕よりも身体がひと回りもふた回りも大きい方たちがたくさんいたんです。
バッティング練習なんか見ていても、全く勝てないなと思いましたね。でも、キャンプをやっていくうちに違うところで特徴を出せば、もしかしたらなんとかなるんじゃないかという風に思いました。

──そして、現役通算でいうと、1819試合に出場して1753安打・321本塁打・986打点と!

プロ野球の歴史から見ると、そんなに大したことではないんですけども、
自分の中では正直よくやったほうかな、と自分では思ってます。

──由伸さんと言うと、どうしても怪我というイメージもありますけれども、やっぱり怪我がなかったらな…ってファンは誰しもが思うことだと思うんです。

自分でも少し思うところはあるんですけども、怪我をしないのも一流選手の条件の一つかなと思うので、そこは僕に足りなかった部分ですね。

──全力でプレーをされるプレースタイルの結果なんじゃないか、とも思います。
怪我を恐れずにダイビングキャッチをしたり、壁際でも取りに行く。あの瞬間っていうのは何も考えてないものなんですか?


正直、怖さはあるんですけども、自分が止まらなくなってしまうんですね。
でも、プロ野球は1年間戦うので、ある意味、引く勇気も強い思いを出すところも必要なんです。出すところと引くところ、どちらもプロ野球選手に必要な部分ではあると思います。

──続いては、3年間務めた監督について伺いたいのですが、現役からいきなり監督になられたわけじゃないですか。いつ、どのタイミングでそういうお話しがあったんですか?

話を聞いたのは、原監督退任されてからなんですけど、その前から、次の監督は誰だっていう報道は出ていたので、そこに僕も入ってたとはいえ、
”まさかな〜”と思いながらも途中からは”もしかしたら……”という気持ちになってきて、電話がかかってた時には”やっぱりか!”って思いましたね(笑)。

──その場で「分かりました!」って答えられたんですか?

一度直接会って話をして、何日かは考えさせていただいたんですけど、
電話がかかってきた時点で自分の中では引き受ける気持ちになってたのかな、とは思いますね。

──監督業に対する、その時点での具体的なイメージなんていうのはありましたか?

全くなかったですね。これは僕の勝手な考え方なんですけど、求められたところで仕事をするというか、それができるということは幸せなことだと思いますし、
選手もできたかもしれないんですけども、球団としては監督という役職をやって欲しいということだったので、なんとかそれに応えたいという想いの方が強くなりましたね。

──実際に監督をされて、監督というものはどんなイメージになりましたか?

自分が決断したことを成し遂げるまで諦めないで、努力して常に高い目標を持ち続けて欲しいです。
自分も優勝はできなかったんですけど、努力をしていれば、何らかの形で自分に良いように返ってくるのかなと思うので、何事も頑張って欲しいです。

──監督業に対する、その時点での具体的なイメージなんていうのはありましたか?

選手として見ていた監督よりも、やっぱり大変でしたね。
でも、これはやらないと分からなかったことなので、本当に大変でしたけども良い経験をさせて頂いたな、と。

──戦略だけじゃなく、選手の気持ちを汲んだり、掌握術なども必要となりますよね。

そうですね。
人間なのでどうしても情が出たりとか、選手としてずっと一緒に戦ってきたメンバーなので、正直僕も気持ちの切り替えがきっちりできないままやってしまった部分もあったかなとは思いますね。

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──そして、ずっと4番で使い続けてきた岡本和真選手、昨シーズンはまさに覚醒しましたよね!
こんな風に期待に応えてくれたのは監督冥利に尽きるといいますか…。


大変嬉しいことですけども、開幕前からこんなにやるとは正直思ってもいなかったので、我々の期待以上というか、本当に我々の想像を超えた活躍をしてくれたな、と思います。

──岡本選手を4番に据えようっていうアイディアは、由伸さんのアイディアなんですか?

正直、僕は彼をどうやって一軍に定着させるかという事の方が頭がいっぱいで……。
シーズンの6月ぐらいから4番で起用したんですけど、最後までやり切ってくれるとも思ってなかったですし、そこは本当に彼の頑張りで我々の期待を超えてくれたなとは思いますね!

──監督として、忘れられないシーンや場面はありますか?

やっぱり、クライマックス最終戦で広島に負けて、これで一区切りつくんだ、というのが一番印象に残っているというか、まだ頭に残ってますね。

──監督を退くにあたって、選手の方やスタッフの方からかけられた言葉はありましたか?

主力選手の何人かは「期待に応えられずすみません」っていう選手もいましたし、岡本とは直接話してませんけども、他の所では「使ってくれて感謝してる」と言ってもらえたみたいなんですけど、
使えるように頑張ったの岡本本人なので感謝される必要はないんですけれども、そうやって思ってくれてるのは嬉しいなと思いますね。

──若手を育てるときって、ある程度結果が出てなくても機会を与えないと伸びていかないわけじゃないですか。その我慢強さっていうのは大変ですよね。

まあ、どこかでそれをしないとね。最初からできると思っていませんし、
そういう環境も与えていかなくちゃいけないと思っていましたので。でも、岡本はそれ以上に答えてくれましたからね。

──最後に、未来の子供たちに向けてアドバイスできることはありますか?

とにかく遠くに飛ばすには、しっかりバットを振れないといけないんですけど、僕がやっていたのは長いもの振って身体全体を使うということですね。
あまり小手先に頼らず、”ああしろ、こうしろ”というと機械のようになってしまうので、子供の間は形では無く、どれだけ振れるかという事の方が大事だと思います!

──その過程で、自分で発見することもありそうですよね。

そうなんです! 自分が振りやすい形であったり、今のが一番遠くに飛ぶ打ち方だったのかな、って自分が気づかないと上手くならないので。
気づくという練習も小さいうちからさせた方がいいのかな、と思いますね。


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