Athelete News
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18.12.22
知ること、好きになること、楽しむこと。
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今週の「Athlete News」は、細かすぎる解説でお馴染み! マラソン解説者 増田明美さんをゲストにお迎えしました。

増田明美さんは、1964年、千葉県いすみ市生まれ。
成田高校在学中、長距離種目で次々に日本記録を樹立。
1984年のロサンゼルス五輪に出場。1992年に引退するまでの13年間に
日本最高記録12回、世界最高記録2回更新という記録を残します。
現在はスポーツジャーナリストとして
執筆活動・マラソン中継の解説などでご活躍されています




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──この“細かすぎる解説”は、どのように生まれたのでしょう?

解説を始めた時に、まず選手である前に人を伝えたいなって思ったんですよ。
マラソンってシンプルなスポーツだからテレビを見てれば誰が強いとか、先頭集団にいる誰が早いかとかってわかるでしょ。
じゃあ、何でこの人はこういうレースができるのかって伝えるときに、子供の時にはこうだったとか、大事にしている言葉は…っていうのを伝えたかったので、現場に行ってめちゃくちゃ取材したんです。
で、私も結構解説を長くやってるから、そろそろ後輩たちの番かな、なんて思ってたところ、マツコ・デラックスさんが私の小ネタが面白いってことで、世界三大〇〇みたいな感じで紹介してくれて火がついちゃったんですよ。

これからニューイヤー駅伝もありますよね。なので、いっぱい調べまして、福岡国際マラソンでも活躍した服部勇馬さんは、勇馬・弾馬・風馬という3人の男兄弟と、長女が1人いるんです。
兄弟3人ともに「馬」という漢字がついてるんですね。どうしてかというと、お父さんが馬が好きだったんです!勇馬さんが4歳ぐらいまで、お家で馬を飼ってたらしいですね。
それで、自分の息子3人に勇馬・弾馬・風馬という名前をつけたんですって。

──面白いですね!インタビューのコツってあるんですか?

今は、おばさん力じゃないかな。30代の時はこんなに図々しく入り込めなかったんですけど、今はいい具合におばさんなので(笑)。
今では大学駅伝の男子の方の監督舎にも招かれるんです。青学の原監督とか東海大学の両角監督とか、駒大の大八木監督など…みんな個性的なんですよ。
そこに行って、監督たちがレースの様子を大きなテレビのモニターで見てる時に、「今どうですか?」っていう感じで、監督たちの心の内を取材しているんです。
それは、おばさん力がなければできない仕事だな、って思います。みなさん職人肌ですからね。でもそれを良いように利用してもらってるんです。

──ある意味、選手と監督の架け橋のような役割も担っているんですね。

そうですね。それを求められていると思います。でも、大八木監督とかは怖いって言われてるんですよ。選手が走れないと「お前男だろ!」とかって怒鳴る人で。
そういう人も、私の選手時代、一緒に合宿とかでご一緒しているので、「明美ちゃん、選手のとき頑張ったもんね」っていう共感でなんとか取材させてもらってますね。

──競技者として第一人者だったわけですから、みんなが喋ってしまうっていうのは分かりますね。
そして、84年のロサンゼルス・オリンピックで女子マラソンに出場した増田さんですが、その時に初めて女子マラソンが正式に採用されたんですよね。


そうなんですよ。それを知らない人が多くて。
女子大会って有森さんが2大会メダル取って、Qちゃん(高橋尚子さん)が金を取って、野口みずきさんも金を取って、4大会連続メダルだから歴史があると思われてるんですけど、
84年のロサンゼルスで私と佐々木七恵さんが出場したのが最初なんです。

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──意外と最近なんですね!時は経て、2020年に東京オリンピック、パラリンピックが開催されますが、選考の仕方が変わったんですよね。
今回からMGCというシステムが導入されるわけですけど、これについてはいかかがですか?


瀬古利彦さん、これだけは良いことやったなって思いますね(笑)。
瀬古さんは、マラソンをもっと強くしようっていうプロジェクトのリーダーで、今までは選考基準に透明性がなかったから色々と問題が出てきて、泣いていた選手がいた中で、
これが決まってからは選手たちも分かりやすくなったと思います。
目標に向かって頑張りやすくなったんですね。そしたら、設楽悠太さんが日本新記録を16年ぶりに破って、それをまた大迫傑さんが破って。そして、服部勇馬さんも活躍していて…。

──東京オリンピックのマラソンのスタート時間もちょっと問題になっていますけれども、7時半ということだったのが、前倒しになるんじゃないかっていう発表がありました。

今のところ6時っていう発表があって、これは選手全員にとっては健康面ではありがたいです。
だって、この時期ってよくニュースなんかでも外に出ての運動は控えて下さいっていう時だから。

──外に出ちゃいけないくらいなのに、2時間近くあのスピードで走り続けるのは本当に無謀なことですもんね。
それだけ長い距離を走るわけですから、ボランティアの方も含めて、運営スタッフが集まることが出来るかっていう問題もありますね。


そこなんですよ。今一番参考になるのが、91年の東京世界選手権で。
その時のスタートが6時で、その時には運営スタッフの方は300人ぐらいは朝の3時から準備したんですって。なので、泊まるところがないと。
それで、青少年会館の一室で雑魚寝をして3時から準備したらしいです。選手も大変だけどボランティアの方も大変ですよね。だからその辺も考えながら、みんなで一丸となって盛り上げていきたいですね!

──そして、増田さんは今年6月、日本パラ陸上競技連盟会長に就任されたそうですが、
どんな思いから就任されたのでしょうか?


私、ずっとパラリンピックの選手が好きで取材をしてたんです。山本篤さんや土田和歌子さんとか…。
そしたら、前の会長さんが吉松さんっていうんですけど、大分の車いすマラソンを選手として走っていた方で。
その方がお年を召されて、車椅子で世界大会とかに移動するのが大変だからちょっと誰かやってくれないかっていう時に選手の方から声をかけて頂いて。
まだまだ選手の環境が整ってないことや、観客が少なくて嘆いてることも聞いてたんで、それじゃあ選手の応援団長になろうと思って引き受けたんです。
全然貫禄がない、なんちゃって会長なんですけども、2020年までは競技力向上とか観客をどうしたら増やせるかに頑張りたいなって思いました。

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──増田さんは今、解説者としても引っ張りだこですから、パラ競技に注目する人も増えてくるでしょうし、
パラアスリートの細かい情報を知ることで個人が知れて、ますます応援するようになるんじゃないですか。良い循環になりそうな気がします!


そう言っていただくと嬉しいですね。頑張ります!

──東京で行われるパラリンピックがゴールではないですけれども、ここで大成功することによってその後にも続いてくことだと思います。

そうなんです。そのためには選手が強くないといけないと思うんです。
見たいなって思うのは選手としての格好良さとか、やっぱりメダルを取るっていうことも大事だと思うので、
競技力向上させるために海外での場数を積んでもらったり、そういうこともさせてあげたいなと思います。

──今、いろんな活動をされていますけど、ご自身の活動を通して伝えたい事とはなんでしょう?

なんでも楽しみましょうっていうことですね。楽しんでると、周りにそれが良い感じで感化していってハッピーじゃないですか。

──増田さんは人生を謳歌してるっていうか、ハッピーなオーラがすごく出てらっしゃいますもんね。

嬉しいですね。でも、20歳のときのオリンピックでは楽しんでないから失敗したんですよ。
論語の「知好楽」っていう言葉が好きなんですけど、オリンピックのときは「知」だけで終わっていたんですね。
一つのことに打ち込んでる時に、そのことをよく知ってるよりも好きな人が勝ってる。好きな人よりも楽しんでやっている人が一番良い結果につながる。っていう意味なんですけども、
若い時は「知」で終わっているから、これからの人生はできるだけ「知好楽」でいきたいなと思ってます!

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今週のゲスト、増田明美さんの“サイン色紙”をプレゼントします!
ご希望の方は、番組WEBサイトのメッセージフォームからお送りいただくか、Facebookのアカウントをフォローしてコメントをしてください。
当選者には番組スタッフからダイレクトメッセージを差し上げます。



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