Athelete News
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18.11.17
1人の人間であること
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今週の「Athlete News」は、平昌パラリンピック アルペンスキーで金メダル1個、銀メダル2個、銅メダル2個、合計5個のメダルを獲得した村岡桃佳選手をゲストにお迎えしました。

村岡桃佳選手は、1997年3月3日生まれ、埼玉県のご出身。
4歳の夏に横断性脊髄炎のため、車いす生活となります。
陸上を中心に様々なスポーツに挑戦する中、小学2年生の時にチェアスキーに出会い、中学2年生の頃から本格的に競技スキーを志し世界を目指します。
そして、高校2年生の時にソチ・パラリンピックに出場。
スーパー大回転、回転、大回転に出場して大回転で5位入賞を果たしました。
現在は早稲田大学 スキー部に所属しながら、2015年〜16年のシーズンには大回転でW杯の種目別優勝。
「2017IPCアルペンスキーワールドカップ白馬」では金銀銅の3つのメダルを獲得。
そして、今年行われた平昌パラリンピックで金メダル1個、銀メダル2個、銅メダル2個、合計5個のメダルを獲得と大活躍をされました。


──憧れの早稲田大学に入っての大学生活はどうですか?

半年くらい、冬の間は日本にいないので。大学生らしい大学生をしている期間が半年×4回なので、単位が(笑)。
パソコンで受けられる授業があるので、それを履修したり、先生にお願いをしてレポートだったり代替えの措置でお願いをして。なんとか4年生まで上がってきました(笑)。

──大学に入ってスキー部に入られたんですよね。そのチームの雰囲気はどうだったんですか?

高校生まで体育会系みたいな中に身を置いたことがなかったので、“大丈夫かな?”っていう不安が、まずありました。
“早稲田の運動部でしょ?大丈夫かな〜”とか思いながら、その環境に身を置いてしまったというか(笑)。

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──入ってみてどうでした?

すごいあったかいなと思いましたね。運動部だからこその厳しさもありますし、上下関係みたいなものも昔ほどではないですけどあったりもするので、最初の方は毎日胃が痛かったです。
練習のときとかは一緒に練習をしたりもするので、“どうしたらいいんだろう?”とか、普通にただただ運動部に身を置くっていうだけではなくて。

自分は障害があって、同じスキーっていう種目だけど障害者と健常者っていう違いとか、また一緒に練習するといっても、自分はどうしたらいいんだろうとか、いろいろな戸惑いもあった中で不安はすごく大きかったんですけど。
下級生なのに、逆に先輩にちょっと気を使われるみたいな、最初のうちだけしたけどね(笑)。お互いに戸惑ってました、スキー部の部員の方々も周りに障害がある人があまりいなかったというか、いた人の方が少なかったので。
お互いの距離感の測り方がすごく難しいところではあったかなと思います。

──そのあとは工夫をされて、練習方法とかも確立していったんですか?

そうですね。基本的には健常者の方だと足や体幹がメインとなってるところで、私は上肢であったり、同じ体幹がメインになってくるんですけど。その中でもできることは一緒にやったりとか、あとはひたすらに声出すとか、そういうところで“私も一員である”と、仲間意識を高めて、一緒のスキー部の部員なんだぞ!っていうところを高めていけたかなと思います。

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──同年代のアスリートと一緒に、というと刺激を受けたりする部分もあったんじゃないですか?

刺激は受けました。スキー部はもちろんなんですけど、私、スポーツ科学部に在籍をしているので。
基本的にほとんどの人がスポーツをやってるか、やっていたか、なので。ザ・アスリートというか、「スポーツ一筋!」みたいな人がたくさんいて。
友達もそういう人ばっかりなので、食事の面であったりとか、トレーニングに対する考え方とか「今日これから練習だ〜」みたいに言ってたりするのを聞くと“やりたくないけど、私もやらなきゃ”と、“負けてられないぞ!”っていう、そこで私の負けず嫌い心に火がつくというか。
そういった面ですごくいい影響は受けてますね。

──ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。村岡桃佳選手の心の支えになっていた曲があったら教えていただきたいんですけれど…。

新しい地図さんで「雨上がりのステップ」です。この曲がパラリンピックの支援ソングというか、サポートソングになっていまして。インターネットの方で配信されていたんですけど、その曲がパラリンピックの支援金にまわしていただけるということで。
私もそれをきっかけに知ったんですけどすごくキャッチーというか、いい曲ですごく好きになりました。
「1人じゃなくて一緒に頑張っていこう」って言ってもらっているような、“1人じゃないんだな”って思えるような曲なので。
そういったところでも、すごく勇気づけてもらえます。

──競技を通じて、どんなことを発信していきたいですか?

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チェアスキーであったり、アルペンスキーを通じて、私が滑っている姿をいろんな人に見てもらえることで、パラスポーツ自体を知ってもらうきっかけになると思いますし。
障害があるとかないとか関係なく、スポーツっていうものは人を繋いでくれるものだと思っているので。障害があってもスポーツを楽しみたい気持ちだったりとか、勝ちたいっていう気持ち、負けたくないっていう気持ちは一緒だと思っているので。

人はみんな平等だし、1人の人間であることを忘れないでもらいたいというか…今、やっぱりどうしてもまだ、“障害があるから助けてあげなきゃ”っていう気持ちが強いと思うので。
そうではなくて、同じ人間で友達を助けてあげるときって、“助けてあげなきゃ”じゃなくて、“助けてあげたい”とかって自分から思うものじゃないですか?
義務的なものじゃなくて、“手を取り合おう”とか“手を取り合って一緒に生きていこう”っていう、そういう気持ちを伝えていけたらいいなと思いますね。障害があるから特別なことじゃないんだ、っていうことをいろんな人に発信していけたら、伝えていけたらいいなと思います。


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