Athelete News
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18.06.09
継続は力なり
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今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、ミズノスイムチーム所属、ロンドンオリンピック、リオデジャネイロオリンピック 女子200メートルバタフライ 銅メダリスト 星奈津美さんをゲストにお迎えしました。

星奈津美さんは、1990年 埼玉県越谷市生まれ。2012年のロンドンオリンピック、2016年のリオ・オリンピック 200メートルバタフライで銅メダルを獲得。2012年の日本選手権では、200メートルバタフライで2分4秒69の日本記録を樹立。2015年の世界水泳選手権では日本競泳女子初の金メダルを獲得。2016年10月に引退を表明し、現在はミズノスイムチームのアシスタントコーチを務めています。

先週は病と戦った、波瀾万丈の現役生活についてお話しを伺いました。
バセドウ病の手術を終え、リオ・オリンピックを1年後に控えた2015年の世界水泳選手権で日本競泳女子初の金メダルを獲得後、スランプに陥ったそうです。
今週は、そんな星さんを支えた平井伯昌コーチについて語っていただきました。


──手術の翌年、2015年の世界水泳選手権で悲願の金メダルを獲得、これは嬉しかったんじゃないですか?

嬉しかったですし、自分が一番驚いた結果だったかなと思います。手術から8ヶ月後くらいだったので、驚異的な回復、復活みたいなことを言われたんですけど。
自分でも、正直、金メダルを目指していなくて、まず代表に復帰できれば、というところで。焦らずオリンピックに間に合わせられるようにスタートしたので、まさか、ここで金メダルを取れるとは、という結果でしたね。

──これは何が変わったというか、良かったんですか?

手術と同じタイミングで担当コーチを変えて、平泳ぎのレジェンドの北島康介さんを指導していた、平井伯昌コーチに自分でお願いをしに行って、受け入れていただいたんですけど。
平井コーチの指導と周りの環境ですね、北島さんもそうですし、個人メドレーの金メダリストの萩野公介選手もいたので、そういう中で刺激を受けながら練習できる環境もプラスになっていたと思います。

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──平井コーチのトレーニング法はどうでしたか?

大きく違うのは選手を頑張らせるという、平井コーチのマジックみたいなところがあるんですけど。
練習の内容もすごく量が多いわけではなく、きっちりきっちり、ひとつひとつのメニューを無駄なくやるんですね。
ひとつひとつの練習の意味を、考えながらやるというのが私も身に付いて、どんな練習も無駄にしちゃいけないし、一回一回の練習も、調子が良くないときはあるんですけど。“最低の中でも、最低の状態を少しでも上げる”ということを平井コーチはよく仰っていて。「全くダメな日を作らないようにしなさい」と言われて、良くない中でも、その中での最高の状態で終えられるようにしようと、毎日思って練習してました。

──リオオリンピックの前の年に金メダルをとって、“オリンピックも…”と、なりますよね?

思っていた以上に、そのことが自分の中でプレッシャーというか、重圧になっていた部分もあったかと思います。
自分の中では、やるべきことを変えずにいこうと思っていても、やっぱりどこか金メダルを取ったことによって、その結果に満足していて。ちょっとでも悔しいという思いがあって続けていくのと、すべてが上手くいって“良かった”っていう結果で次に進んでいくというのは、モチベーションの保ち方が全然違っていて。
初めての経験だったので、どこかで自分の中で油断があったり、そういうこともありましたね。

──リオオリンピックまで、どういう風に気持ちを調整していったんですか?

この時も助けてもらったのが平井コーチだったんですけど。
オリンピックの2ヶ月前くらいのギリギリのタイミングではあったんですけど、その時に海外の大会に出ていて、大会が終わって他の選手はバスに乗って宿舎に帰るんですけど。
平井コーチの方から「今日は歩きながら散歩して帰ろう」と声をかけられて、その時の大会の結果もボロボロで。オリンピックでは戦えないよっていうタイムだったので、怒られるんじゃないかとビクビクしていたんです。
一緒に歩いて帰って、平井コーチが最初に言った言葉が「おまえ、今すごく辛いだろう」と言われて、「しんどい時は、俺の前でも泣いていいんだぞ」って言われて(笑)。

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──男前ですね(笑)

1年前から指導を受けていて、一緒にいる時間も長くはなかったので、泣いたりとか弱さを見せるというか…そういうところを出せなくて。
でも、平井コーチというのは、いろんな経験をされている方なので、前に言ってくれたことですごく覚えているのは「康介も、金メダルを取った後が一番辛かったんだぞ」と言っていて。
確かに、北島さんはアテネオリンピック、北京オリンピック、2大会連続で金メダルをとっていて。アテネから北京に向かう時っていうのは、最初は上手くいかないことがあって、人っていうのは上手くいった後っていうのが、次に向かう中では難しいんだよなと言っていたんですね。
比べるにはレベルが違うかもしれないですけど、金メダルをとった後の辛さを初めて味わっていたので、「わかるぞ」と言ってくれたことだけでもすごく救われて。
最後に「でも、俺は諦めてないぞ。俺に任せろ」と言われて。その言葉に本当に救われて、腹をくくって着いていこうと思いましたね。
その時に、“平井コーチに、まずメダルをかけたい”という風に、強く思ったのが大きかったなと思います。

──実際にリオオリンピックでメダルを獲得して、コーチにかけてあげたんですか?

かけました。平井コーチもウルウルしていたのでもらい泣きしてしまったんですけど。「本当によく頑張ったな」と労ってくださったので。
その時の自分の力がしっかり出せたし、よくあそこから立て直したなと褒めてくださったので、それが嬉しかったですね。

──現在は、ミズノスイムチームのアシスタントコーチとして育成に努めていらっしゃるそうですが
夢や目標を実現させるために大事なことは何だと思いますか?


諦めないとか、そういうことは当たり前だと思うんですけど。私が競技を通して学んだことは、どんなに小さいことでも積み重ねるというのが一番大事かなと思っていて。私の座右の銘が「継続は力なり」なんですけど、どんなこともコツコツ続けていくのが、夢にたどり着ける、ある意味一番の近道じゃないかと思っています。

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