Athelete News
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16.10.29
リオ・パラリンピック柔道 夫婦二人三脚の戦い
今週の「Athlete News」は、リオ・パラリンピックの柔道女子57キロ級で銅メダルを獲得した広瀬順子選手と、そのコーチで男子90キロ級に出場した夫の悠選手、ご夫婦でお越しいただきました。

──パラリンピックの柔道女子では日本で初のメダル、表彰台ということでおめでとうございます!
3位が決まった瞬間の気持ちというのはどうだったんですか?


順子選手:初めて女子でメダルをとるっていうのは、特に意識していなかったんですけど、試合があまり好きではないので(笑)。
”やっと終わった”というのと、”良かった”という気持ちですね。

──試合というのは勝敗が決まってしまいますし、独特の緊張感みたいなものがありますよね

順子選手:そうですね。パラリンピックも黒いカーテンの後ろでずっと待っているんですね、逃げ出したくてしょうがなかったですね(笑)。

──その時にご主人が会場にいるというのは心強いですよね

順子選手:悠さんがいるというのと、応援してくださっている方に変な試合ができないというので頑張れました。

──表彰台に上がってかけられたメダル、どんな思いでしたか?

順子選手:かけられた瞬間に、”銅メダルをとったんだな”っていう実感が湧いてきてとても嬉しかったです。

──今日はそのメダルをスタジオに持ってきてくださったということですが、メダルによって音が変わるという話を聞きました

順子選手:中に入ってる球の数が、金メダルになるにつれて増えて音が高くなります。
嬉しくて、鳴らして”メダルがあるな”と実感しています。

──奥様の順子選手が3位決定戦で勝った瞬間、悠選手はどんなお気持ちでしたか?

悠選手:普段あまり感情がないんですけど、その時は”やりやがった!”と思って、すごく興奮しましたね(笑)。

──普段はあまり感情の起伏はないんですか?

悠選手:まったくないですね(笑)。
自分の中でも、”まだそんな感情があるんやな”って、びっくりしました。

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──普段ご一緒にいて、感情があまりない方だなと思ったりするんですか?

順子選手:感情がないというより、どんな場面でもいつも同じ状態ですね。

──驚くほどルールの差ってないんですね

悠選手:組んでから始まるんですけど、ほとんど健常者のルールと変わらないですね。

──もともとお2人は、健常者で柔道をされていて全国大会に出場されるほどの実力だったんですね

悠選手:そうですね、過去の栄光ですけど(笑)。2人ともインターハイには個人戦で出場しています。

──視覚障害柔道へ転向して、難しかったところはどこですか?

順子選手:組み合ってから始まるので、昔は先に自分がいいところを持って組み手争いをしてから技をかけていたので。
お互い、いいところを持った状態で、そこからどう崩していいのかっていうのが分からなくて…そこが一番難しかったです。
力勝負になるので、力が強い方が勝って、そこから何もできずに負けてしまうことも多くて難しかったです。

──組み手から始まって、技を相手に仕掛ける時って相手の動きはどのように感じ取っているんですか?

順子選手:私はまだ見えてる部分が少し残っているので、そこで相手を見るか、あとは腕から伝わってくる相手の力とか。
どういう風に肩が動いているとか、そういったところで感じながらやっています。

──悠選手も同じような感覚ですか?

悠選手:僕の方は右目の真ん中の視野が残っているので、その中でなるべく人を捉えるようにしてます。
順子さんとはやり方が違うんですけど。

──人それぞれ、やり方があるということですか?

悠選手:そうですね。全盲の方もいるし、弱視の方もいるので、自分の視力だったり体力であったり、みんなやり方は違うと思います。

──普段の練習環境ですが、愛媛県の松山市にお住まいで、柔道場ではなく総合格闘技のジムで練習をされているんですか?

悠選手:そうですね。家の近くにあるんですけど、ブラジリアン柔術だったり、総合格闘も教えてるようなジムでやっています。

──ということは畳の上ではないということですか?

悠選手:そうですね、マットの上でやっています。

──違いみたいなものがあったりするんですか?

悠選手:マットに足をとられるので、畳とは違いますね。

──逆にバランス感覚が養われたり、足腰が強くなったりするんですか?

順子選手:最初は慣れてなくて、フラフラしたりとか足首を捻挫したりしてたんですけど、今は全然しなくなったので。
畳じゃない不安定な場所でやっていたら、畳でやった時にもっとしっかりした足元になる、そんな気がします。

──悠選手は、減量が苦手なんですか?

悠選手:そうですね。一階級下げたのでトータルでいうと15キロくらい痩せました。
初めの8キロは半年くらいで、あとは2〜3ヶ月で減量しました。

──それは奥様の順子さんの支えがあってですか?

悠選手:奥様は減量がないんですけど、僕に付き合ってもらって、ランニングとかご飯の食べる量とかを減らしたりしてもらってます。

──順子さんは減量はないんですね

順子選手:57キロ級はなくて、付き合ってご飯は少ない量で横で食べてるんですけど、ちょっとお腹足りない時は隠れて食べてます(笑)。

──毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。順子選手が試合前に聞いている曲や、心の支えになっている曲を教えてください

順子選手:大原櫻子さんの「瞳」という曲をよく聴いています。
もともと大原さんの曲が好きで、新曲が出るたびに聴いていたんですけど。試合前に聴くと、”今までやってきたことは無駄じゃないんだな”とか、”支えてくれた人のために頑張ろう”って思えるんです。

来週も、広瀬順子選手と、夫の悠選手をお迎えしてお話を伺っていきます。
お楽しみに!

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