Athelete News
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16.02.20
白井健三、未来へ
今週の「ATHLETE NEWS」は、先週に引き続き、体操の白井健三選手の父でありコーチの白井勝晃さんにお話を伺いました。

白井選手は去年12月の「豊田国際体操」の床運動で、「伸身リ・ジョンソン」を成功させ、男子では最高のH難度の新技として認定され、「シライ3」と命名されました。


──子ども達を支えていくうえで大切にしていることとは?

私たちの日頃の生活で襟を正すことがすごく大事で、皆様方と接する時に失礼のないようにしたりとか、当たり前の事を当たり前にしていく事を積み重ねていくと、試合に行ったときに変な風が流れてくるんですよ。それは「運」を運んでくる風なんですよ。
普段の生活をきちんとしていることによって、そういう風が吹くと、メダリストの親達が言うことは一緒なんですよ。普段の生活を律儀にしていると、子供たちに良い風が吹いてくるようになるんだよということで、真摯に世の中を生きる事を約束し合っているんですよ。

──白井家 4つの約束事

小さい頃に、カレンダーの裏に約束事をさせたんですよ。それが「嘘をつかない」「約束を守る」「姑息な事はしない」「物を大切にする」ということ。
これが2003年の4月30日に実行と書いたんです。
ただ書いただけじゃダメじゃないですか、これに家族でサインをするわけですよ。サインをすると、どういう効果があるかを教えないといけないんですよね。何日か経ってどこかで物を壊してしまったと、そうするとミーティングですよ。
「契約っていうのは、サインしているだろ?サインは絶対なんだぞ?」と、こういうのを小さいときから植え付けたんですよ。

これが我が家の基本中の基本なんですよ。これが思いのほか、すごい効果だったんです。
小学5年生の時と、中学2年生の時に「遊びじゃなくて、本気で体操をやるか?」と最終確認をするんです。
その時に、2つ守れと約束させるんです。
体操教室の仲間とは、ずっと付き合うかもしれないから絶対に喧嘩をするな、仲良くなりなさい。
もう1つは、知性はすべて学校からしか学ぶ事はできないので勉強をやる。
その2つをちゃんと守りなさいと、中学2年で最終確認をするんですよ。

「僕は体操選手を目指す」と…小さい時にこの事があったので約束は守るんです、嘘はつかないんですよね。言った言葉にどれだけ責任があるかと、小さいときにサインしていますので、この時期に聞くとかなり本物の発言になるんですよ。

──白井健三選手は、リオオリンピックが初めてのオリンピックとなります

僕らは子供の成長をずっと見続けてきているわけだから、ちょっとの成長でも手を叩いてあげるという側です。だから、オリンピックであろうが何だろうが、ダメだったとしても、「次があるから良いんじゃない?」という感じなので常に平常ですね。
彼はいつも口にしてますよ、「やれることがきちんとできたら、結果はついてくる」と言っているんです。
根本的には今までの自信もあるし、これだけの事をやってきたら負けてきてないというのがあるので、それを信じてあげたいと思いますね。
とにかく見守るだけで、リオオリンピックについては意識はしていないですね。

──10万時間の法則とは

力としては徐々に上がっているところで、10万時間という話ですけど、毎日特化して練習していくと1日6時間が限界だと思うんですよ。
6時間のことをするには、6時間寝ないといけない。1日の半分は、絶対に持っていかれるわけなんですよ。
これを22年間やると10万時間にたどり着くんですよ。
イチロー選手はおそらく、10万時間をちょっと超えてるんじゃないかと思います。
内村選手が9万5千時間くらい、健三は6万6千くらいです。
結果的に言うと、その時期がどこに向かっているかというと、まだ右肩上がりの勾配にいるんですね。東京オリンピックの時は右肩上がり、ピークに上がりきるところなので、心技体、一番良い状態なのではないかと思いますね。