Athelete News
  • mixi
  • Facebook
  • ツイッター
  • Google
16.02.13
体操界期待の星
今週の「ATHLETE NEWS」は、リオオリンピックの体操で金メダルが期待される、体操の白井健三選手、父でありコーチの白井勝晃さん。
白井勝晃さんがコーチを務める、「鶴見ジュニア体操クラブ」でお話を伺いました。



──白井健三選手に、”才能がある”と感じ始めたのはいつですか?

気付いたことは、18歳までに11個あるんですね。その中で、5歳の時にお兄ちゃん達の小学生の大会に応援に連れて行ったんです。そこで、「お兄ちゃん達が出られるのに、なんで僕は出られないんだ」と、本人は出たいわけなんですよ。小学生以上だから、出られるわけないんですよ。
僕は運営側についていたので、会長さんに聞いてみようかと言ったら、会長さんが「子供が出たいと言ってるんだから、オープン参加という形で出させてあげればいいじゃないか」ということで、健三はルンルンになるんですけど、順番を一番最後にしてもらうしかないわけですよね。

その大会の運営で、例えばあん馬だったら、何回まわらないといけないとか、いろいろあるんですけど…ルールが分からないんですよ。彼は一番最後について、ずーっと観察しているんですよ。
だんだん順番が近付いてきて、何やるか決まるわけですよね。その場で見て、それをやらないといけないというのは、練習していない限り有りえないわけですよ。それを、手をパンと挙げて出来るんですよね。

──その場で学んで出来てしまうんですか?

観察能力が高いと思いました。それが、円馬というもので一周回るだけでも大変なんですよ。彼はそのとき、練習で一周しか出来なかった、試合では5周回らないといけないんですよ、1周ずつ回っては降りて、それで5回まわるだろうと思ったら、5周回るんですよ。

──今まで出来ていなかったんですよね?

そういうことが平気で出来るので、”この子はなんだろう?”と思ったのが、最初のきっかけです。
内村航平くんが、テレビでリ・ジョンソンをやったとき、彼は中2だったと思うんですけど何度もビデオを見返していました。
すると本人が、「お父さん、明日体育館に早く行っていい?」と言うので、早く体育館を開けたんです。そしたら、10分で出来てましたね。
彼は、空間予知能力を持ち合わせているという事が、少し見えてきたんですよ。

──今まで、くじけるという場面はなかったんですか?

ベーシックと言って、体操の基本を絶対にやらないといけない時期があるんですね。
それが、小学校の中学年くらいから、中学校の1、2年くらいまでは、どんなことがあっても、それは避けられないんです。
彼はずっと、小さい時から小学校1年生くらいまで遊んでいました。

小学校2年生から、私の恩師の監物永三というオリンピックの選手がいるんですけど、日体大で小さい子を集める教室があったんですよ。
そこでやっていた事がずっとベーシックで、毎日6、7時間もやるので、彼は面白くないわけですよ。
それが耐えられなくて、その時に”やりたくない”と、ストライキを起こしたんですよ。

──そんな時期があったんですね

その頃に、ちょうど内村くんと日体大で一緒だったんですよ。内村くんの方からちょっかいを出しにいって、「お前と一緒にオリンピック出ると面白いね」という風に言われたんですね。
そのことが非常に嬉しかったようで、次に声をかけてきた時は、トレーニングをしていると、「そんなんじゃオリンピックに行けないよ」とか、「もうちょっと、ちゃんとやんなきゃな」という言葉を、どんどん真に受けていって…人間の言葉って大事なんですよね。
負けず嫌いなところに、上手い言葉を言うなと「それじゃちょっと無理なんじゃない?」みたいな言い方をしていて。

──そこで、健三選手に火がついちゃったんですね。今の活躍には、内村選手の存在も欠かせないですね

初めてナショナルの選手達の合宿に行ったとき、ニヤニヤしながら帰ってきたんですよ。
「お父さん聞いてくれないか、僕の理論を本当にわかってくれた人を見つけたよ」と言っていて、それが内村だったんですよ。

──白井勝晃さんに「Cheer up Song」を伺いました

まだまだ若い頃に、テクニカルのコーチとして日本で1番になろうという時に一番聴いていたのが長渕剛さんの「乾杯」です。長渕さんの歌には、すごくパワーがあって、よく聴いていました。

来週も引き続き、白井勝晃さんのインタビューをお送りします。
「白井家の4つの約束」「10万時間の法則」とは?お楽しみに!