Athelete News
  • mixi
  • Facebook
  • ツイッター
  • Google
16.03.26
日ハム打撃陣営、城石憲之コーチの手腕
今週の「ATHLETE NEWS」は、北海道日本ハムファイターズの城石憲之コーチに、キャンプ地の沖縄でお話を伺ってきました。
今年から1軍のバッティングコーチになった城石さんのコーチング術を伺いました。



──今日は初歩的なところから教えていただきたいんですけど、打撃コーチは拘束時間が長いんですか?

選手はみんな、守備よりバッティングが好きなので(笑)。
グラウンドである程度の時間やって、それが終わると3、4人が特別に打つんですね。今度は室内に行って、それをやっていない選手が「打ちたいです」と、それをほっておけないので(笑)。合同練習以外の個人練習も付き合います。

──シーズン中はどんなスケジュールなのでしょうか?

ナイトゲームは、チームの練習が14時30分から始まります。
その前に「打ちたい」と、お昼過ぎからやってる選手もいるので、その子たちと一緒に始まって、ゲームが18時くらいから始まるじゃないですか。試合が21時、22時に終わって、ミーティングして、その後練習したいという選手もいるので、それに付き合いますね。

──試合中は打撃コーチとして戦術を立てたりするんですか?

試合前にミーティングをやるんですね、スコアラーの方がデータとか資料を持ってきてくれて。試合中になると、選手の不安部分を除いてあげるような役割です。
選手って同意を求めてくるんですよね、はっきり言っちゃうと、”そのためにミーティングをやったでしょ?”ということを、ゲームのときに同じように聞いたりしてくるので、それに上手に合わせてあげたりして。
選手は分かってるけど、”不安要素を消してほしい”みたいな感じで聞いてくるので、そのへんのコミュニケーションはベンチの中でやっています。

──去年までは2軍の打撃コーチ、今年から1軍の打撃コーチになられましたけど役割の違いは?

ファイターズというのは育成の面を重要視しているので、選手も若くて、去年担当したのが高校卒業の子が5人くらい入ってきたので。育成対象というのが、高卒4年目までが対象選手になります。その選手たちを中心に、育成プランを立ててやっていきます。

今だと、トレーニング部門の知識が発達しているので、その部門の人たちと連携しながらやっていますね。こっちがやりたいことと、トレーニングがやりたいことって一致しない時があるから、お互いを尊重してやらないと喧嘩みたいになっちゃうんですよね。

──栗山監督から求められていることとは?

バッティングコーチ像って、現役ですごい成績を残してる人がなることが多かったと思うんですけど。
今年は、僕と金子誠の2人でやってるんですけど、どちらかというと2人とも、守備とか、そっちのほうなんですよね。
脇役から見た打線というか、見方を変えてみてという部分も、栗山監督はちょっと期待されているという話は聞いています。

──中田翔はどうですか?

見ての通りの感じですけど(笑)、うちの4番なので、チーム内でも、外からも注目されるプレーヤーだと思います。
彼には、見られてるということを感じてもらって、思いっきり4番になりきって引っ張っていってもらえればと思います。

──二刀流の大谷翔平選手がいますけど、バッティング面に関して期待してることはありますか?

練習見るとすごいんですよ。初めて見ましたけど、”こんな野球選手いるのかな?”って(笑)。
ピッチャーもやって、バッターをやって、あれだけの野球選手って僕は見たことないですね。

──何がすごいんですか?

バッティングに関しては、飛ばす力はすごいです。中田よりも飛びますし、僕が今まで見てきた日本人の中で、一番飛ぶんじゃないかと思いますね。
でも、実際に試合で打つと…っていう話ですよね。バッティング練習のボールって、打たせようと思ってピッチャーは投げてくれるんですよ。
実際に試合になれば相手はタイミングを崩したりしてくるし、その中で結果を出していくとなると「バッティング練習のアプローチは少し変えたほうがいいんじゃないの?」っていう話はしました。

──コーチになって感じたこと、心がけていることはありますか?

対・人間なので、まず相手の心を開いてあげることですね。特に若い子が多いので、聞いてくれることも、なかなか耳に入っていかないんじゃいかなと思うので、そこは一番気をつけてやっている部分ですかね。

──プライベートな相談に乗ったりもするんですか?

選手とは、そこまで一緒にやらないと心がけているひとつでもあるんですね。
プライベートで食事とかガンガン行っちゃうと、何かの一言が響かなかったりって思うので。
ある程度引いておいて、グラウンドで上手くコミュニケーションとって、一言”ポン”と言った方が選手の心に響くんじゃないかと思います。

──毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。城石コーチが現役時代に聴いていた曲や、心の支えになっている曲はありますか?

氷室京介さんの「IF YOU WANT」です。震災があった時に氷室さんが書き下ろした曲で、もともと中学生くらいからずっと好きで聴いていたんです。
震災があって出した曲ということで、「頑張れ!頑張れ!」みたいな感じだけじゃない、歌詞がすごく響いて、それ以来聴いています。