Message in the Music/Bob Dylan「Masters of War」
ON AIR REPORT / 2022.04.26 update
時代を超えて、届く、音楽のメッセージを紐解く 「Message in the Music」
ブロードキャスターのピーター・バラカンさんが毎日1曲選曲。
今日紹介いただいたのは
Bob Dylan「Masters of War」 (1963)
ボブ・ディランについてのとある記事を見つけました。
彼の祖父・祖母は、20世紀初頭に、オデッサからミネソタ州のダルースに移民として渡ってきたというもの。
オデッサは黒海に接している港町で、今はウクライナの一部。複雑な歴史を持っている街で、ボブ・ディランの祖父・祖母=ジグマン/アナのジマーマン夫妻がアメリカに渡ったときは、おそらくオデッサは、ロシア帝国の一部だったのではないでしょうか。
彼らはユダヤ系だが、19世紀には「ポグロム」と言われている”ユダヤ人の虐殺”が行われていました、そのため、彼らは難民としてアメリカに渡っています。今もまた、オデッサという街が戦争に巻き込まれようとしています。
今日お届けするのは「Masters of War」。「戦争の親玉」という邦題がついていますが、その歌詞を紹介します。
「一つ質問をさせてください。あなたのお金はそんなにいいものですか?お金で許しを得ることができると思いますか?あなたが死ぬ時が来ればわかると思う。あなたが稼いだお金では、魂は決して買い戻すことはできない」
そんな痛烈なことを歌っています。