「借りぐらしのアリエッティ」の原作は、床下の小人たち。宮崎さんが、もう50年も前に読んだイギリスの児童文学です。

心の片隅に置いて、あたためていたこの物語を、宮崎さんは、若い才能ある監督のデビュー作に差し出しました。

宮崎さん自身はいつものように、多くを語りません。自ら脚本をしたため、キャラクターを描いただけ。

あとは、一切口を出さずに、各パートのラッシュに、みんなが一喜一憂しても、頑なに試写室には姿を見せず、ただ、若い監督のびたむきな作業を、遠巻きに見つめてきたんだそうです。なぜ、アリエッティだったのか?アリエッティには、宮崎さんの,どんなメッセージがにじんでいるのか?

誰にも多くを語らない宮崎さんが、つい心をゆるして、かなり多くを語ってしまった取材の名手がいました。それは、物語のふたりの主人公、小人の少女 アリエッティと人間の少年 翔の声に取り組んだ、志田未来さんと神木 隆之介くんのふたりです。