兵庫県豊岡市。
この町に足を踏み入れると、至る所で、
ある“鳥”の写真や看板、オブジェなどを目にします。
その鳥とは、「コウノトリ」。まちのシンボルです。
かつてはいろんな場所で見られた鳥でしたが、
乱獲と農薬により激減。
1971年、ついに日本から姿を消してしまいました。
その最後の一羽が確認されたのが、豊岡市でした。
以降、豊岡市では、
コウノトリの野生復帰に向けて2005年に放鳥。
地域一丸となっての努力の結果、
現在では、100羽にものぼるコウノトリが
この地で暮らすまでになりました。
その象徴としての作物が、
豊岡市のブランド米「コウノトリ育むお米」。
一体、どんなお米なんでしょうか?
豊岡市役所を訪ねました。
「コウノトリは肉食の鳥なので、
田んぼにいるカエルやドジョウなどを食べます。
無農薬、あるいは減農薬でお米を栽培して、
田んぼに生きものたちが棲める環境をつくり、
その生きものを食べにコウノトリがやってくる。
コウノトリが棲めるということは、
他の生きものにも優しい環境である証拠。
ひいては、人にも良い環境ということになります。
“コウノトリ育むお米”は、
そういう環境下で作られたお米なんです。」
教えてくれたのは、「コウノトリ共生課」の成田さん。
市役所にこういう名前の部署があること自体、驚きですね。
コウノトリも、生産者さんの数も増えて、今では栽培面積が当初の約10倍!
これからさらにどんな発展を遂げるのか、
コウノトリと共に生きる豊岡市の挑戦はこれからも続きます。
いろんなお話を聞けば聞くほど、
自分の目でコウノトリを見てみたい!
好奇心に火がついた川瀬良子、早速、
教えてもらった田んぼに向かいました。
いた~~~!
迫力満点!間近で見ると、とっても大型の鳥です。
羽を広げると2メートルにもなるんだそうですよ。
稲刈り中のコンバインを追いかけるように、
稲を刈ったばかりの辺りをウロウロ。
刈り終わったところから、
カエルやイナゴがひょっこり飛び出てくるのを
狙っている模様。
市役所で聞いた光景が
目の前で繰り広げられています!
早速、お米の生産者、小島さんにお話を伺いました。
コウノトリはよく来るんですか?
「特に春はよく来ますね。
コウノトリと一緒に仕事をしてますよ。
刈り取り作業中、コンバインのすぐ後ろ1メートルくらいまで近寄ってくるので、
コンバインに巻き込まないか、心配になることもあります。
あぶないよ!って言ったりしてね。」
ちょうど稲刈りの真っ最中だった小島さん、
試しにやってみる?と、カマを持たせて下さいました。
コンバインには乗ったことがありませんが、手刈りは経験済みの川瀬良子、
ヤル気満々でいざトライ!
お米、一粒一粒にいろんな人の思いが込められているんですね。
さぁ、今年の新米はどんなお味なんでしょうか?
生産者、行政、JA、そして市民も一緒になって
取り組むことで成果を上げている豊岡市の農業。
「コウノトリ育むお米」の正体は、
理想的な農業のあり方のモデルパターンでした。