青い空と海、そして澄んだ空気。
そんな石垣島の豊かな自然の中で育つブランド牛「JA石垣牛」を取材しました。
ハワイとほぼ同じ緯度に位置する石垣島の、温暖な気候で育つ「JA石垣牛」、
どんな顔で迎えてくれるでしょうか?
訪ねたのは、石垣市の名蔵という
場所にある「名蔵農場」。
JA石垣牛生産牧場組合の組合長、上江洲 安生(うえず・やすおみ)さんに、 お話を伺いました。
「石垣は日本でも有数の仔牛の生産地域で、島を出た仔牛たちは全国各地の肥育農家のもとで
各地のブランド牛になるべく育てられています。
そのなかでも、八重山郡内で生まれてそのまま一貫して食肉となるまで肥育され、
さらに、石垣の食肉市場を通すことで品質保証した黒毛和牛のことを
『JA石垣牛』と名付けてブランド化しています。」
流通量が少ない「JA石垣牛」。
地元の方でもなかなかいただくことが
できないのだそうです。
「通常は、仔牛を産ませる繁殖農家と、
別の農家、仔牛を大きく育てる
肥育農家が役割分担していますが、
ここの牛たちは、産まれてから
ずっと同じ場所にいます。
生まれた直後は30kgくらいだった仔牛も、
2年半で800kgにまで成長するんですよ。」
これまでにいろんな地域の牛舎を訪ねた川瀬良子、
ここ、石垣島の牛舎を見て、気になったことがありました。
石垣島は亜熱帯エリアにあり、たびたび台風の直撃を受けます。
本州のような木造の牛舎では簡単に吹き飛ばされてしまうため、
石垣の牛舎は頑丈なコンクリートでできているんです。
これで牛たちの命も守れます!
コンクリートの牛舎はとても珍しいそうで、石垣島ならではなんですよ、と教えて頂きました。
そして、石垣島ならではといえば、こんなお話も。
「暖かい石垣島の気候が生んだ、ミネラルをたくさん含んだエサを食べて、
牛たちはゆったりと“ノンストレス”で育ちます。
牛のエサは輸入穀物が一般的ですが、ここでは、地元の稲わらや、
乾燥させたパイナップルの皮や、
搾汁後のサトウキビを発酵させたものなどを混ぜて食べさせているんです。」
そう語ってくれたのは、肥育農家の
嶺岸寛子(みねぎし・ひろこ)さん。
「牛は大きくて重いので体力を使うけれど、
元気に大きくなる姿を見るのは楽しく、
やりがいにつながります!」
「全国各地に、いろいろなブランド牛がいますが、
“石垣島の風景が一緒に見える”こと、
それが「JA石垣牛」の魅力です」
と、笑顔で語ってくれました。
八重山生まれ、八重山育ちの「JA石垣牛」は、
ストレスフリーの元気印。
どの牛も穏やかな優しい表情をしていたのが印象的でした。