鹿児島グルメを代表する黒豚。
その美味しさを支えるのは、
実は同じ鹿児島名産として知られる
“あの食材”でした。
「かごしま黒豚」の味の秘密と、
地元有名料理店の料理長が薦める
黒豚料理を紹介します!
鹿児島のソウルフードとも言える黒豚。
その美味しさを探るために訪れたのは、JA鹿児島県経済連直営で東京・大阪・福岡にも支店を持つ和食店「華蓮」。
こちらで、まずはJA鹿児島県経済連・養豚事業部の本田宣明さんに話を伺いました。
(実は本田さん、豚肉の流通に関わる仕事の一方、獣医師でもいらっしゃるという異色の存在!
豚さんたちの健康も守っていらっしゃるそうです。)
「かごしま黒豚」は、鹿児島県黒豚生産者協議会が定めた基準に沿って生産されることで、
高い品質を維持しているブランド肉。
例えば、230日~270日という長期間の飼育をすること、
出荷前60日以上はサツマイモを10%以上添加したエサで育てることなどが求められています。
こうした飼育によって、「かごしま黒豚」のサッパリとした味と締まりのある肉質が生み出されるんだそうです。
そんな「かごしま黒豚」の特徴の一つが、他の豚肉と比べて筋繊維が細かいこと。
これが、食べた時の歯切れの良さや柔らかさに繋がります。
また、もう一つの特徴として挙げられるのが成分面。
グルタミン酸(旨味)・トレオニン(甘味)が多いことが科学的にも証明されているそうです。
私たちは、ただモグモグ食べて美味しいと感じるだけですが、そこには「美味しい肉を届けたい!」という、
関係者の皆さんの知恵と工夫が積み重ねられて生まれた理由がある!…正に“美味しさの結晶”なんですね~。
そんな「かごしま黒豚」の真の美味しさを、
やはり料理で実感したい!ということで、
次に話を伺ったのが、
「華蓮」の料理長・山下竜吾さん。
ここ「華蓮」は、JA鹿児島県経済連直営の店ということもあり、安心・安全で美味しい料理を求めて、
県外からの観光客も含めたお客さんがたくさん集まるそうですが、
そういった中、「やはり黒豚を味わいたい!」…という人気を感じると山下料理長は語ります。
そんな「華蓮」での人気黒豚メニューは、「しゃぶしゃぶ」、「厚切りトンカツ」、「せいろ蒸し」…
どれも美味しそ~!
特に、しゃぶしゃぶは昆布でとった出汁にくぐらせるだけで旨味が出て、
また元々の肉質がとても柔らかいためふわふわの食感が楽しめるそうです。
そしてせいろ蒸しは、二段に重ねたせいろの上段には肉、
下段には県内産を中心とした約20種類の野菜や卵などの
食材がギッシリと敷き詰められています。
蒸し始めると上のせいろから滴り落ちる肉汁で、
下の食材の旨味が増すという仕掛けになっていて、
味で、香りで、
さらには目でも楽しめる絶品メニューです。
ちなみに、このしゃぶしゃぶやせいろ蒸しに出される肉は、店でそれぞれ成型しているんだそうです!
てっきり食パンをスライスするように、元々の塊をただ薄く切っているのかと思っていたんですが、
実は、肉の赤身部分と白い脂身部分が見た目にも美しいバランスになり、
食べた時の味や食感もベストになるように考えて重ね合わせ、
それを冷やして固めたものをスライスしているとのこと。
食べる人への思いやりが、あの一枚にどれほど込められているのかとビックリ!
食べたらあっという間という一口の肉も、
生産者さんの色々な工夫に加えて、
料理して下さる方々の工夫もまた
幾重にも積み重なっているんだと思うと、
ひと口ひと口、ひと噛みひと噛み、
大切に味わいたいなぁ~と改めて実感しました。
最後に、家庭で簡単にできる美味しい豚肉料理を山下料理長に教えて頂きました!
<黒豚ときのこのサラダ>
●黒豚バラ肉の薄切りをサッとお湯にくぐらせる。
●きのこをフライパンでソテーする。
●ちぎったレタスなどの上に豚肉ときのこを乗せ、お好みでポン酢や胡麻ドレッシングをかけて完成。
山下料理長曰く、「5分で出来て、見た目に秋らしさも感じられる」とのこと。
ぜひ挑戦してみて下さいね!