およそ1年ぶりの「あぐり紀行」!今回向かったのは福岡県です。
博多や北九州などの大都市を抱える一方で、
都道府県別生産量ベスト3に入る農産物が色々ある“農業県”でもあります。
まずは、北九州市若松区のキャベツ畑を訪れました。
市の北西部に位置し、
海に面した若松区で栽培されているのが
「若松潮風キャベツ」です。
その生産者のお一人、
JA北九若松そさい部会キャベツ班の
松浦剛さんにお話を伺いました。
地元の生産者さんや大学が調査を行って、この地域で穫れるキャベツには、
海からの潮風や粘土質の土壌など独特の自然条件が影響していることが分かってきました。
これをもとにブランド化が進められて誕生したのが「若松潮風キャベツ」です。
その最大の特徴は「甘み」。
これを出すために、地域では希釈した海水を撒くなどの栽培法をはじめ、収穫・出荷の基準をしっかりと決めて、
地域の生産者全員が同じ品質のキャベツを作ることを徹底しています。
また、葉がギッシリと詰まっているのも若松潮風キャベツの特徴で、同じ大きさの他のキャベツと比べても、
若松潮風キャベツの方が重くなるそうです。
こうした品質の高さが評価されて、地元・北九州はもちろん、
広島のお好み焼き屋さんたちや関西の鍋料理チェーンなどから支持されるなど、
若松潮風キャベツは主に西日本のキャベツ需要を支える存在となっています。
実は、若松潮風キャベツが「市場からの信頼」を得ている大きな理由が、もう一つあります。
海からの風は気温の高低差が少なく、若松の気候を比較的穏やかに保ちます。
このため、例えば冬場の寒波に見舞われて他の産地でキャベツの生育が悪化しても、
「若松産」は、高品質のキャベツを大量に安定供給できるという強みをもたらしています。
この信頼感がスーパーなどの流通業や外食産業側にあることから、
若松潮風キャベツは市場での人気が高いというわけなんですね。
そして今回、地元JAの方が、キャベツ料理を畑の前で振る舞ってくれました~
まずは、松浦さんの妹さんが考案したという「無限キャベツ」。
キャベツひと玉を8等分に切り、ごま油とコショウをかけてレンジでチンするだけ…という手軽さ。
松浦さんによると、「無限に食べ続けられる」ほどの美味しさなんだそうです。
また、キャベツにかけるものは、
実は何でも合うそうで、味付けも正に“無限”。
ぜひ、あなたの好みで色々試してみて下さい!
もう一つは、松浦さんのお母さんをはじめ、
生産者さんの奥さん・お母さんグループが開発したキャベツのスープです。
まずは玉ねぎを飴色になるまでシッカリ炒めて、コンソメスープに投入。
次に、ニンジンなどの野菜も入れて煮込む。メインのキャベツはクタクタにならないよう、
最後に入れるのがポイント…とのこと。
キャベツ畑で食べる、地元オリジナルのキャベツ料理。
潮風が与えてくれた美味しさが、何十倍・何百倍にも膨らんで心に染み込みました~!