皮が白い!新たな品種のサツマイモ『きみまろこ』
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2024.11.07
「皮が白い!新たな品種のサツマイモ『きみまろこ』」
今回のイノベーターは、
イチゴやサツマイモなどの野菜苗の生産・販売を行っている会社「三好アグリテック」の小出祐梨子さんです。
皮が白い、新たな品種のサツマイモ「きみまろこ」。こちらは、どのようなサツマイモなのでしょうか?
「白い皮のサツマイモです。中身は鮮やかな黄色で、加熱すると、ねっとり甘くなります」
「焼き芋にして食べたとき、食感がねっとりしていて、甘くてとても美味しかったです。
近年は、ねっとり甘い品種が人気で、『きみまろこ』も、その仲間入りができる品種だと思います」
「卵の黄身のような黄色の果肉で『きみ』、まろやかな口当たりで『まろ』、子どもに愛情を込めるように『こ』をつけました」
白い皮のサツマイモは、「きみまろこ」が初めてですか?
「実は、昔から白い皮のサツマイモはあります。
焼酎の加工用に使われている品種(コガネセンガン)が有名です。
弊社でも『しろほろり』という品種があり、白い皮でホクホクした食感のサツマイモです」
どのような思いがあって、皮が白いサツマイモ「きみまろこ」を新たに開発したのでしょうか?
「サツマイモも、カラフルになったら面白いという思いから開発が始まりました。
白い皮のサツマイモは美味しくないというイメージが先行していましたが、
『ねっとり甘い、白い皮のサツマイモを作りたい』と思い、それを目標に品種改良をしました」
「開発には10年以上かかりました。
どこをスタートと捉えるかで年数は変わるのですが、少なく数えて10年になります」
どうすれば、サツマイモの皮の色が白くなるのでしょうか?
「元々、白い皮のサツマイモ品種を親にして、交配をしていくと、その子供も白い皮になる確率が高くなります。
白い皮、甘い、ねっとり、といった目標を決めて、それに近づく可能性がある親を選び、交配を繰り返していきます」
特に苦労したのは、どういったところですか?
「まず、3000種類くらいの品種・系統の形質を調べ、親にする品種を選ぶのが、ひと苦労でした。
これはいけそうだと期待しても、食べたら美味しくない、加熱すると中身の黄色が黒ずんだ色になってしまう、
ということもあり、改良を積み重ねていく作業は苦労しました」
皮が白いと、生産者さんにとっては、どのようなメリットがあるのでしょう?
「例えば、紅白のサツマイモで贈答用に販売できれば、高価格で販売でき、
生産者さんも収益の確保がしやすくなると思います」
この「きみまろこ」、今年10月に試験的に生産され、流通量が増えてくるのは来年(2025年)の秋ということです。
手に取ることができるのはおそらく1年後ですが、
「きみまろこ」の皮の白さを目で確認し、そして、ねっとりした食感や甘さを味わうこと、楽しみにしています。