宮城県のパプリカ、ライバル3社が共通のパッケージで販売
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2022.10.20
「宮城県のパプリカ、ライバル3社が共通のパッケージで販売」
宮城県は、パプリカの収穫量・出荷量が、ともに全国1位。
その宮城県でパプリカを生産している生産法人3社が、
今年の7月から、共通のパッケージでパプリカを販売し始めました。
今回のイノベーターは、この3社の1社、
「ベジ・ドリーム栗原」の農場長、東佑樹さんです。
これまでのパッケージには、3社それぞれのロゴが入っていたのですが、
共通のパッケージにはロゴを入れず、
「宮城県産」を強調したパッケージとなっています。
ライバル同士の3社が、このような共通のパッケージでパプリカを販売。
これにはどのような背景があるのでしょうか?
「パプリカは流通量の10%のみが国産であり、
宮城県は全国1位とはいえ、その一部に過ぎません。
県内の産地がライバル関係を築くより、
全国1位である宮城県産パプリカを一つのブランドとして捉え、
県内の産地同士が協力関係を築くことでブランド力を高める狙いがあります」
「こうした状況を受け、県内の生産法人3社、ベジ・ドリーム栗原とデ・リーフデ北上、
デ・リーフデ大川が7月21日から、統一したパッケージでの販売を開始しました」
ライバル同士の3社が、同じパッケージでパプリカを販売するにあたって重視したのは、
3社が協力することで“安定供給”体制を築くことでした。
東さんは、「宮城県産パプリカを発注すると、足りなそうになっても3社が協力して、
安定的に供給してくれる」という評価に繋がり、
宮城県産パプリカのブランド力向上に繋がります、とお話しされていました。
共通のパッケージで販売することで、
ポジティブな効果が、すでにあらわれているということです。
「今回のプロジェクトでは宮城県庁が音頭を取って下さったことで、
以前はライバル同士だった会社間で、人的・技術的・物的な交流が生まれました。
宮城県産パプリカを良くしていきたいという思いを
各社で共有できたことがうれしかったです」
「また、各社の需給情報を登録するシステムが開発され、
システム内で各社が融通しあえる量を登録することで、
販売量をしっかりとコントロールすることが可能になっており、
安定供給に繋がっていると感じています。
東さん、パプリカの生産や販売に関して、
今後、どのようなことにチャレンジしたいと思っているのでしょうか?
「パプリカは彩りのために購入される方が多く、
味や豊富な栄養素を評価して、購入してくださっているケースは少ないと思います。
食べ方の提案などを通じて、もっと、消費者の方へパプリカの良さをアピールし、
いつか、ジャガイモや玉ねぎのような、
食卓にある当たり前の野菜になるよう、努力したいと考えています」
東さん、パプリカの良さがさらに多くの人に伝わるよう、
これからも新たな取り組みを続けていってくださいね。
応援しています。