“工業高校”の生徒たちが作る紅茶
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2022.10.13
「“工業高校”の生徒たちが作る紅茶」
今回のイノベーターは、「埼玉県立狭山工業高校」の原嶌茂樹先生です。
紅茶を作る…
“農業高校”なら分かるのですが、なぜ、“工業高校”で作ることになったのでしょう?
「埼玉県立狭山工業高校では、受験者の定員割れが続いていて、
効果的な学校のPR活動を検討していました。
そんな中、目を付けたのが“お茶”です。
地元では、狭山工業高校は“狭工(さこう)”と呼ばれていることから、
工業の“工”と、紅茶の“紅”をかけて、“狭紅茶(さこうちゃ)”を製作し、
狭山工業高校 独自のPRを展開することを考案しました。
5年前の2017年から、電子機械科の「課題研究」という教科で3年生が紅茶作りに取り組んでいます」
紅茶を作るとはいえ、茶葉から栽培するのではなく、
茶葉は、狭山市で茶葉を栽培されている方(横田園)の指導のもと、
生徒たちが手摘みで摘んでいるということです。
では、収穫した茶葉をどのようにして紅茶にしているのでしょうか?
「茶葉を摘んだ後、一晩寝かせる工程“萎凋(いちょう)”で香りがよくなります。
ただ、この工程を行う商品(機械)がないため、“萎凋器”を生徒が設計・製作しました。
そして、手もみをした後、発酵させます。
発酵機も、生徒が設計・製作しました。
電子レンジで、発酵を止めた後、横田園で乾燥してもらいます。
パッケージデザインや計量、袋詰めも生徒が行っています」
紅茶を作ることについて、
生徒たちからは以下のような感想が寄せられているということです。
・紅茶作りの大変さがわかった。
・「狭紅茶」を作りたくて、入学してきたので楽しい。
・自分が作った「狭紅茶」を飲んでいただいて、「おいしい」と言われたときはうれしかった。
原嶌先生は「紅茶作りは楽しい」と、お話しされていました。
「毎回、同じように作っても、毎回テイストが変わる。よく言えば、“一期一会の味”です。
農業の大変さや苦労がよく分かってきました。
生徒たちも、様々な年齢の方と会話をすることで物怖じせず、
コミュニケーションを取ることができるようになり、イキイキしてきました。
地元やお茶への関心を持ち始めたなど、生徒の普段とは違う面も見られて、楽しいです」
原嶌先生、紅茶作りに関して、今後、どのようなチャレンジをしようと考えているのでしょうか?
「3年前より、フランスのパリで開催される日本茶のコンテストに“狭紅茶”を出品していまして、
昨年度は27.50点。
入賞は29.25点以上なので、あと1.75点で入賞を逃しました。
今年度は入賞を目指して出品していまして、今後は金賞を目指します」
原嶌先生、「狭紅茶」の入賞、そして、近い将来の金賞、期待しています。