LEDの照明を使って野菜を栽培する“LED農園”
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2022.10.06
「LEDの照明を使って野菜を栽培する“LED農園”」
今回のイノベーターは、玉川大学の渡邊博之教授です。
渡邊教授が研究を進めている“LED農園”、これは何なのでしょうか?
「LEDを光源として、栽培時に照射する光の色をコントロールすることにより、
生産する野菜の品質や栄養、味を向上させながら、効率的に野菜を栽培する野菜生産システムです」
植物の光の反応をうまく利用することによって、
これまでとは、品質、栄養価、味、食感の異なった野菜の生産が可能となるということです。
このLED農園で育てていて、しかも、事業化している野菜は「リーフレタス」。
品種、条件にもよるのですが、苗を植え付けて、14~21日程度で収穫が可能で、
「夢菜(ゆめさい)」というブランドで販売しています。
リーフレタス以外では、ホウレンソウ、ハーブ、イチゴ、トマト、キュウリ、エディブルフラワーなどを
育てることができるということです。
渡邊教授、どのような思いがあって、LED農園の研究をしているのでしょうか?
「野菜を安定生産する仕組みを確立したいと思います。
また、企業が、高い専門技術を身につけた人材を使って展開する、
競争力のある農業を日本に根付かせたいと考えています」
LED農園は、日本の農業にどのような変化をもたらすのでしょうか?
「LED農園で生産される野菜は、割合としてはあまり多くはならないと思います。
LED農園に適さない野菜も多いからです。
ただ、こうした新しい技術を使った、新しい形の農業経営が
日本の農業の選択肢の一つとして定着することは、重要だと考えています。
野菜が安定して生産され、それがビジネスとして収益性をもって展開されることは、
日本の農業の競争力を高める大きな力になると思います」
渡邊教授は、
「日本の農業のかたちを少しずつ変えていくような仕事にチャレンジしたい」
というお話もされていました。
日本の農業が、よりよいかたちになるよう、ぜひ、研究を続けていってください。