農薬散布の負担が減る ドローンを使った新たなシステム
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2024.09.12
「農薬散布の負担が減る ドローンを使った新たなシステム」
今回のイノベーターは、福井県工業技術センターの田中大樹さんです。
「農薬散布の負担が減る ドローンを使った新たなシステム」。
こちらは、どのようなシステムなのでしょう?
「このシステムは、複数のドローンによって、
地上に設置したバッテリーとタンクから電力と農薬をケーブルとホースを用いて供給するシステムです」
「ケーブルとホースは、畑の作物への引っ掛かりを防止するためにドローンで持ち上げます。
これによって地上のバッテリーとタンクを大型化できますので、
ドローンの長時間飛行と農薬の大量散布を可能になります」
一般的なドローンと比べると、飛行時間と農薬を散布できる量はどのぐらい違うのでしょうか?
「普及している一般的なドローンと比較して、
1回の飛行時間は最大4倍程度で1回の散布量は最大5倍程度となるバッテリーとタンクを使用して
実証試験を行いました」
「一般的なドローンの飛行時間は10分~20分ですが、
実証実験で使用したバッテリーでは80分ぐらいの飛行が可能です」
「バッテリーとタンクをさらに大型化することもできます」
どのような思いがあって、このようなシステムを開発したのでしょう?
「畑によっては大量に農薬散布する場合がありますが、一般的なドローンでは散布量が限られているために、
補給のため、数十回、ドローンを飛ばす必要があります」
「しかし、これは現実的ではありませんので、実際に使いやすい散布システムを開発し、
少しでも省力化できればと考えたからです」
このシステム、農家さんは、どのような感想を話していますか?
「計画している時から助言をいただいていた農業関係者からは、
まさか実現できるとは思わなかったと驚かれました」
「作物の種類によっては、500リットル~1000リットルの希釈した農薬を散布する場合があり、
農業従事者からは長時間で大量散布できるドローンへの期待は大きいようです」
田中さん、今後については
「現場での実証試験を重ねながら出てきた課題を解決し、システムを改良していき、4年後の販売を目指します」と
お話しされていました。
現状、どのような課題があるのでしょうか?
「現状のシステムでは複数のドローンの飛行する経路がシンプルではないため、
煩雑な設定が必要で衝突の危険もあります」
「これらを解決するため、ドローンの飛行経路をシンプルなものにして
操作性と安全性を向上させるための改良を実施していく予定です」
田中さんによると、このシステムについて農家さんから「早くほしい」という声も届いているということです。
田中さん、4年後の販売に向けた課題の解決、引き続き、応援しています。