栃木県で三代にわたって竹を生産し続けている農場
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2024.09.05
「栃木県で三代にわたって竹を生産し続けている農場」
今回のイノベーターは、
「若竹の杜 若山農場」を運営しているワカヤマファームの代表取締役、若山太郎さんです。
「若竹の杜 若山農場」は、どのような農場なのでしょうか?
「この地では350年、今の経営になってからは三代100年続くタケノコと栗の農家です。
東京市場(築地、今の豊洲)で関東を代表するタケノコとして大切に扱っていただいています」
「ただし、副産物である竹材が現在では使われないため、
季節品である農産物収入だけでは経営が成り立たないため、
高付加価値化するために竹植栽材(植木としての竹)を世に啓蒙し、近代建築空間に取り入れられ、
その生産販売を全国で唯一専門にやっています」
「また、タケノコの生産のために徹底して管理していますが、
そのような手入れのされた竹林は、もう他にはどこにもなく、
その見渡す限りにつづく美しい竹林をロケ地や観光地としても活用しています。
つまり、竹林から分け与えられる全てを資源化して活用しています」
竹は、各地に「放置竹林」があり、厄介者と言われることもあります。
竹をめぐる、こうした状況については、どのようなことを感じているのでしょうか?
「竹は近代化の中で化石燃料由来のプラスチックなどに取って代わられ、利用されなくなりましたので、
伐っても売れない時代になり、放置されて久しいです。
また、竹は地下茎という横に伸び広がる根を持ち、タケノコという自分の分身を発生させ、
たった2か月で、あの大きさに成長し、どんどん増えていきますので
他の樹木を枯らしてしまい問題視されています」
こうしたなか、竹(竹植栽材)を生産しているわけですが、これにはどのような思いがあるのでしょうか?
「竹の栽培は、私が始めたわけではなく三代前から行っています。
その理由は当園の立地が向いているからでもありますが、
逆に水のない不毛な地であったため、水稲(米)栽培ができずに
代々、いろいろと工夫をしていくうちに出会ったためだとも思います」
「当時は需要があり、父の代で様相は一変し、竹は需要がなくなりますが、
近代になり、環境の時代ということも追い風に、
その魅力は再認識される価値があると思われるため、改めて啓蒙しています」
竹の生産を続けるなかで、若山さんは、どのようなことを感じているのでしょうか?
「竹ほど資源化が早く、持続的な植物資源は他にないと言っても良いでしょう。
また、近代的な都市空間など、これからの文化の中にも、日本らしい、その景観にも魅力のある植物は
他に見当たりません」
「食育を通し、農産物販路拡大や国産メンマなどの加工商品の開発も順調ですが、
それだけではなく、竹植栽、竹チップの利用など新資源として、
さらに、その地を利用したロケーション事業・観光として展開しています」
「おかげさまで竹植栽はどこの街角でも見かけるようになり、
竹林には年間9万人もの方が訪れてくれるようになりました。
多くの方が竹を身近に感じ、好きになって喜んでくれていると感じています」
「これからもより多くの方に、より多く竹の魅力を伝えていきたいと思います」
「若竹の杜 若山農場」の啓蒙によって、竹の魅力が再認識されつつあると感じました。
竹の魅力を伝える取り組み、これからも応援しています。