株式会社農業総合研究所
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2024.07.18
「株式会社農業総合研究所」
今回のイノベーターは、
和歌山県に本社がある「株式会社農業総合研究所」の代表取締役会長CEO、及川智正さんです。
まず気になったのは、「農業総合研究所」という社名です。
どのような思いがあって、このような名前をつけたのでしょうか?
「まずは、どのような業界で頑張っているか分かるような社名にしたいと思ったんですね。
なので絶対、『農業』って入れたいなって」
「農業というのは作るだけが仕事ではない、口に入るまでを総合的に研究できるようなというのが理由です」
農業に関して、どのようなことをしている会社なのでしょうか?
「一言で言うと、新しい農産物流通を作る会社です」
株式会社農業総合研究所では、全国2000店舗以上のスーパーマーケットの
「農家の直売所」という独自の産直コーナーを運営委託という形で設置し、新鮮な農産物を販売。
農産物を、いくらで、どのスーパーに出荷するかは、すべて生産者自身が決めており、
農業総合研究所の役割は、スーパーマーケットの店頭価格情報や、生産者の売上情報など、
生産者と生活者をつなぐ「情報発信」と、
スーパーマーケットの仕様に適したバーコード印刷システムなどの「流通インフラ」の提供を行っているといいます。
及川さんは「生産者さんと生活者さん両方にメリットを提供しないといけないと考えている」とお話しされていました。
「たとえば、3本100円のきゅうりがあったり、5本50円のきゅうりが売っていたりするんです」
「今までは、形や大きさなどが同じ規格品の野菜だけが多かったんですけれど、
そこから外れてしまった規格品外でも美味しいものはたくさんありますので、
そういうものも届けたいと思っています」
及川さんは、どのような思いがあって、この会社を立ち上げたのでしょうか?
「創業前の経歴として、大学を卒業後、『会社員→きゅうり農家→青果店経営』という経歴があります」
「起業のきっかけは、きゅうり農家時代に体験した厳しい現実になります。
きゅうりが豊作になり、良いことと思いきや、出荷量が増えるので値崩れが起きます。
すると、生産者は売っても赤字。残ったきゅうりは廃棄せざるを得ません」
「生産者は真面目に美味しい農作物をつくり、生活者も求めている。なのに、商売として成り立たない。
ということは、流通に改革すべき問題があるのではないか。そう思ったのが起業のきっかけです」
農業総合研究所の事業によって、農業をどのように変えていきたいと考えていますか?
「私たちは『ありがとう』を大切にしたいと考えています。
今まで農業をやっていて一番つまらなかったことは『ありがとう』が聞こえてこなかったことでした」
「生産者と生活者の双方向に感謝を届ける仕組みをデジタルで構築し、
食べる前に生活者に情報を伝えていきたいと考えています」
生産者に生活者の『ありがとう』が伝わる仕組みがあると、生産者の皆さんのやる気に繋がると思いました。
この仕組みが実現するよう、これからも応援しています。