“地中熱”を使って、農業を支援するシステム
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2022.09.08
「“地中熱”を使って、農業を支援するシステム」
今回のイノベーターは、株式会社イノベックスの福宮健司さんです。
「地中熱」というのは、何なのでしょうか?
「地中熱の技術は、日本全国で安定して使える、莫大なエネルギーです。
地下10メートルから200メートル程度の深さには、
15度から18度程度の安定した状態があります。
この熱源を、冷暖房の熱源として利用した場合、
非常に小さな電力で冷暖房効果を得ることができます」
この地中熱のエネルギーを、
イノベックスの独自技術「ヒートクラスター」で使用することで、
ハウスの空調温度をムラなく管理することが可能となり、
生産時期もコントロールできるようになるということです。
地中熱を使って、農業を支援する、このシステム。
農家さんが導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
「基本的には、光熱費の削減だけでなく、
生産性の向上、収穫期間の拡大などによる、生産量の増大に貢献します」
一方で、デメリットもあり、それが「導入コスト」と「施工の負荷」。
「導入するためにはボーリングコストの存在感が大きく、補助金が欠かせません。
国も地方自治体も様々な補助制度を用意してくれていますので、
それらを活用しながら、従来の技術とのギャップを詰める手間が発生します。
また、これまでにない工事の種類ですので、
他の工事との連携や施工管理に専門家が必要となります。
現在のところ、国内では
地中熱を手掛けた経験のある施工会社などが少なく、毎度、苦労しています」
課題があるものの、このシステム、
すでに、イチゴ、トマト、花、キクラゲの菌床栽培などで導入されているということです。
今後は、導入する農家さんが増え、
地中熱を手掛けた経験のある施工会社も増えることで、
今よりも、このシステムを導入しやすい状況になっていくのかもしれません。
福宮さん、導入する農家さんが増えるよう、頑張ってください。