北海道でソルガムの栽培に挑戦している研究者
オンエアレポート
2024.06.13
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「北海道でソルガムの栽培に挑戦している研究者」
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今回のイノベーターは、帯広畜産大学の准教授、秋本正博さんです。
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ソルガムは、どんな作物なのでしょう?
「アフリカ原産のイネ科作物で、トウモロコシのような背が高い茎の先端に穂を実らせます」
「種子は食用として、葉や茎は飼料用として利用できます」
どのような特徴があるのでしょうか?
「長い根を持つため乾燥に強く、倒れにくい特徴を持ちます。
また、高い茎の先端に種を付けるので、トウモロコシなどに比べ、野生動物による食害が少ないです」
「品種の多様性が高く、種子を多く実らせるものや、茎が5メートルにも伸びるものなど、
生産者の栽培目的に合わせて、様々な品種を選ぶことができるのも利用上の特徴です」
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寒さには弱いんですか?
「寒さに弱いといっても、寒いと枯れてしまう、全く育たないというわけではありません」
「発芽した直後などに気温が低いと、生育がやや緩慢になってしまうという程度です。
ただ、このような生育の不良が生じると、ソルガムが持つ特性が十分に活かされず、
だったら他の作物の方がいいや、となってしまうのです」
そのソルガムを、なぜ北海道で栽培しようと考えたのでしょう?
「北海道の飼料作物の多様性は必ずしも高くなく、生産者は限られた中から作物を選んで栽培しています」
「そうしたなか、気候変動による高温化のあおりで、
北海道では既存の作物のいくつかが栽培しにくい状況になっています」
「その反面、この気温が高い条件は、ソルガムにとっては育ちやすい環境なわけです。
そこで、ソルガムを北海道に導入することで、飼料作物の多様性を高めて、
生産者の選択肢を広げることができないかと考えたわけです」
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秋本さんがソルガムの栽培を始めたのは5年前。
どのようなところに難しさを感じていますか?
「北海道でソルガムを栽培した実例が少ないため、我々の環境下でよりよく育てるためには
どのような管理を行ったら良いのか、1からすべて考えなくてはなりません」
北海道でソルガムの栽培を定着させるためには、どうすればよいとお考えですか?
「まずは、ソルガムという作物を知ってもらうことだと思います」
「育てて、見て、その特性を理解してもらえたら、
おのずと生産者の選択肢の1つに挙がってくるようになると思います」
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秋本さんによると、北海道の道東にあたる十勝やオホーツク、道央にあたる上川などで、
すでに何軒もの畜産農家さんや畑作農家さんがソルガムの栽培を手掛けているということです。
今後さらに増え、北海道でソルガムの栽培が定着するよう、応援しています。