花が咲きにくい、“白菜”の新たな品種
オンエアレポート
今回、注目するのはこちら!2022.08.18
「花が咲きにくい、“白菜”の新たな品種」
今回のイノベーターは、白菜の新たな品種「いとさい1号」の開発に携わった、
秋田県立大学の北本尚子准教授です。
花が咲きにくい、白菜の新たな品種。
開発しようと思った理由は何なのでしょうか?
「CO2=二酸化炭素の排出量を低減したかったからです。
白菜は一定の低温に遭遇すると、葉を作るのをやめて、花芽を作ります。
花芽を作り出すと、結球(=葉が重なって、球状になること)しなくなり、商品になりません。
そのため、春作型の白菜では、暖房などで、苗を加温・保温する必要があります。
その際のCO2の排出量を低減したいと考え、
加温しなくてもよい、白菜の品種を開発しようと思いました」
花を咲きにくくすることによって、
農家さんは、暖房費などの生産コストを削減しつつ、安定して白菜を生産することが可能。
それだけでなく、CO2の排出量が低減されるため、
脱炭素社会の実現にも貢献できるということです。
「メリットが多い、すごい白菜」という印象を受けますが、
北本さんは「デメリットもある」とお話しされていました。
「花を咲かせにくいということは、タネがとりにくいことを意味しています。
そのため、種苗会社としては、商品であるタネの生産が難しいというデメリットがあります。
この点を克服するための研究も進められています」
「いとさい1号」が、農家さんで栽培が始まる時期は未定で、
現在、タネの商品化に向けて、試作をしている段階だということです。
北本さん、タネがとりにくいという課題を解決し、
一日も早く、「いとさい1号」のタネが商品化されること、期待しています。