電球メーカーが生産する幻のキノコ“はなびらたけ”
オンエアレポート
今回、注目するのはこちら。2022.08.04
「電球メーカーが生産する幻のキノコ“はなびらたけ”」
今回のイノベーターは、
静岡県にある電球メーカー「大井川電機製作所」の佐々木孝行社長です。
大井川電機製作所が生産している“はなびらたけ”。
幻のキノコと呼ばれているのは、どうしてなのでしょうか?
「はなびらたけは、標高1000メートルを超える高山の限られた環境でしか育たず、
栽培も難しいため、収穫量が少ない。
そのため、“幻のキノコ”と呼ばれています。
たとえ、高山へ探しにいったとしても、見つけるのは大変困難なんです」
はなびらたけは、その名の通り、花のような美しさが特徴。
コリコリとした食感とキノコ特有のふくよかな香りを持ち、和・洋・中を問わず、
様々な料理に合わせることができるということです。
大井川電機製作所が生産する、
はなびらたけには「ホホホタケ」というブランド名がついていて、
このブランド名にも意味があると言います。
「料理に添えるだけで、食卓をパッと華やかにしてくれるだけでなく、
その見た目・食感などから、“ほほほ”と笑顔にしてくれるかと思います」
大井川電機製作所は「電球のメーカー」。
畑違いのキノコの栽培に乗り出したのは、どうしてなのでしょうか?
「電球事業の将来性に対する危機感がありました。
大井川電機製作所が手がけるのは照明用電球。
自動車用は売り上げのほぼ全てを占める主力事業なのですが、
電気自動車や自動運転などの普及で自動車業界は
100年に1度とも言われる大変革に見舞われています。
こうしたことから、電球にこだわらない事業に乗り出すことにしました」
電球にこだわらない事業を模索する中で、キノコ、
しかも、生産が難しい“幻のキノコ”を選んだことにも、ちゃんと理由がありました。
「社員が持ち寄った事業案の中で、
ふぐの養殖やわさび作りなどと共に提案されたのが、
“はなびらたけ”の生産でした。
生産に成功すれば希少価値が出る、栽培の難しさから競合相手が現れにくい、
何より、難しいことに挑戦することに、技術者たちが燃えていたことから、
最終的に“はなびらたけ”が選ばれました」
“はなびらたけ”の生産に乗り出してから、約3~5年の試行錯誤を経て、
現在は安定供給ができているということです。
「東京では、浅草今半、伊勢丹などで、
また、静岡県内の給食センター、焼肉料理の京昌園、
9月ごろからはハンバーグチェーンのさわやかなどでも取り扱われるようにもなり、
さらに今年に入り、シンガポール、香港、マレーシアへの輸出もはじまりました」
大井川電機製作所が生産した“はなびらたけ”、皆さんも、ぜひ、味わってみてください。