週末に開講する農業スクール
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2024.04.04
「週末に開講する農業スクール」
今回のイノベーターは、「アグリイノベーション大学校」運営事務局の杉原一成さんです。
「アグリイノベーション大学校」は、民間で設立された社会人向け週末農業スクール。
2011年に開校し、卒業生は2000人を超えています。
横浜、千葉、埼玉、大阪、京都の5農場あり、受講生は自分の通いやすい農場を選択するということです。
開校には、どのような思いがあったのでしょうか?
「もともと、弊社が都市近郊の耕作放棄地を区画貸しの貸農園として、貸し出す事業を民間で行った会社になります。
そこの利用者さんの『もっと学んでみたい』というニーズに応えて、立ち上げました」
「また、弊社の代表・西辻の思いとして、耕作放棄地の課題の解消があります。
農業スクールを立ち上げることで、農家さんが増えることにより、
我々が貸農園を開くことができないような地方でも就農者が増えることで解決につながると信じております」
「週末に開講(週末に授業を受ける)」にした理由は、何なのでしょう?
「全日制の農業学校で学ぶことや、農家の元で研修することが一般的です。
全日制の学校や終日の研修だと、現職を続けながら学ぶことが難しいです」
「本当に自分が職業としての農業と適正が合うのかもわからないまま、
現職をやめることはリスクが大きすぎるため、また、農業が自分に合うかどうかも見極めるため、
現職を続けながら、通うことができる週末開講の農業スクールを立ち上げました」
受講は「1年半」と「1年間」のコースがあり、それぞれ学ぶ内容は同じ。
畑での実習、オンラインでの農業技術・経営の講義、人脈、就農方法など、
様々な農業とのかかわり方を学ぶことができるといいます。
「人脈」を教えるというのは珍しいという印象があるのですが、どのような思いがあるのでしょうか?
「農業を始めたいとなったとしても、農業界との繋がりや取っ掛かりがない方が多く、
繋がりや取っ掛かりがないという理由で農業をあきらめる方が多いという現状もありますので、
そこをサポートさせていただいております」
「人脈」に関して、どのようなことを教えてくれるのでしょう?
「地域コミュニティや農家コミュニティへのスムーズな入り方や関わり方を学ぶことができます」
「農村地域の文化や背景、農家特有の考え方などは、わりと共通点が多いので、
その知識を事前に知ったうえで農業界に入ると、受け入れられやすかったり、農地取得に繋がったりすることがあります」
卒業生の4割程度が農家に向けてアクションを起こしているという「アグリイノベーション大学校」。
今後は、どのような展開を考えていますか?
「『あなたの農業人生が決まる』学校でありたいと思っています」
「週末開講だからこそ、仕事を続けながら、あなたにとって理想的な農との関わり方を見つけ、
それを実現できる学びやサポートを提供する学校運営をしています」
「一人でも多くの人が農の学びに興味をもち、農を仕事にしたり、生活の軸にしたりし、
自産自消が当たり前の社会実現につながってほしいと思っています」
仕事をしながら農業を学ぶことができる、この農業スクールをきっかけに
今後も、農家に向けてアクションを起こす人、そして就農者が増えることを期待しています。