滋賀県米原市が立ち上げた『まいばら農業塾』
オンエアレポート
2024.03.28
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「滋賀県米原市が立ち上げた『まいばら農業塾』」
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今回のイノベーターは、滋賀県米原市 農政商工課の中川智弘さんです。
「まいばら農業塾」は、新たな農業の入り口として、米原市が2023年度から始めた事業です。
米原市に移住を希望する方や、副業的に農業に関わりたい人、
定年を迎え、農業に力を入れたい人などをターゲットに10人程度を定員に募集を開始しましたが、
応募者多数のため、17人まで定員を拡大したということです。
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この農業塾では、どのようなことを学べるのでしょうか?
「去年8月から今年1月までの6か月間で座学や実習による10回の連続講座を行い、
秋冬野菜の作付けから収穫・販売、販売戦略を学びました。
塾生は、それぞれ20平方メートルの区画の畑を使って、栽培を体験してもらいます」
「座学では、土づくりのことや肥料、農薬のことなどを学び、
実習では秋冬野菜の栽培や、栽培に使う耕運機や草刈り機などの使い方を学び、
収穫時には収穫した野菜に値段をつけて、実際に対面販売を行いました」
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どのような思いがあって、この農業塾を立ち上げたのでしょうか?
「米原市内の農業者の高齢化や市内の直売所に米原市産の野菜の出荷数が減少しているなど、
農業・農村に様々な課題がある中で、
まずは農業に関わってもらう関係人口を増やしていきたいという思いがありました」
「これまでの農業行政としての担い手育成(新規就農支援)は、
農業を専業で始める方を育成し、支援するという考え方が基本でしたが、
現状、農業を始めるには機械や設備を整備するために初期投資が多額で、今の仕事を辞める必要があるなど、
就農には様々なハードルがありました」
「こうした中、小さく、無理なく、段階的に始めていく農業を目指し、農業人材の掘り起こしを目的に
まいばら農業塾を企画しました」
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この農業塾に関わる中で、中川さんは、どのようなことを感じましたか?
「『小さく、無理なく始める新しい農業への入口』をテーマに始めましたが、
参加いただいた塾生の方々からは、農業に取り組む姿勢、意気込みに熱いものを感じました」
「講義の時間は半日で、その時間の中で座学と実習を行うのですが、
実習作業時の塾生の方々の生き生きとした表情や、
販売実習の時の収穫した野菜への値段付けで販売価格をいくらにするか思案されている表情など、
楽しみながらも真剣に取り組んでおられる姿が印象的で、農業の魅力を感じていただけたのではないかと感じました」
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今年1月に1期目が修了。
今後については「これから2期生、3期生と増えていき、横のつながりだけでなく、
農業塾を通じて、縦のつながりも組み合わされればと考えています」とお話しされていました。
「まいばら農業塾」が長く続き、米原市で農業を始める人が増えることを祈っています。