和牛甲子園と和牛を取り巻く現状
オンエアレポート
今年はうるう年で、2月29日は4年に1度の「肉の日」ということで、こちらに注目します。2024.02.29
「和牛甲子園と和牛を取り巻く現状」
今回は、JA全農 畜産総合対策部の小山裕介さんにお話を伺いました。
「和牛甲子園」は、どのような大会なのでしょうか?
「和牛を飼育する全国の農業高校生の生徒、高校球児ならぬ“高校牛児”たちの大会です」
「和牛飼育における創意工夫を発表する『取組評価部門』と、
育てた和牛の肉質を評価する『枝肉評価部門』の2部門があり、
それぞれの部門で最優秀賞・優秀賞・優良賞を選出するとともに、
2部門を総合的に評価する『総合評価部門』で最優秀賞1校を選出します」
第7回和牛甲子園は1月18日~19日に開催。
過去最多となる全国25道府県から過去最多となる41校が出場し、
「総合評価部門」の最優秀賞は、鹿児島県立鹿屋農業高校が受賞しました。
鹿児島県立鹿屋農業高校は、どのようなところが評価されたのでしょうか?
「『取組評価部門』では、和牛飼育に地域で利用がなされていなかった竹を活用する取り組みを発表し、
『肉質評価部門』では、格付評価で最上位のA5等級、脂肪交雑、
いわゆる“さし”を評価する基準の最上位であるBMS12番のすばらしい評価により最優秀賞を受賞するなど、
両部門で高い評価を得ました」
JA全農はどのような思いがあって、「和牛甲子園」を開催しているのでしょう?
「全農は、将来の担い手候補である高校生の就農意欲の向上と、
日本各地で同じ志を持つ高校生同士のネットワーク創出し、意欲と技術の向上を図ることを目的に、
和牛甲子園を開催しています」
「高校生の和牛に対する思いや情熱に心を揺さぶられました。
過去に和牛甲子園に参加した生徒が就農したり、農業高校の先生になるなど、
大会設立の目的が徐々に浸透していることを嬉しく感じます」
和牛を取り巻く現状に関しては、どのような印象を持たれていますか?
「現在、和牛生産者の経営は非常に厳しい状況に置かれています。
物価上昇により消費者の生活防衛意識が高まるなか、食肉消費は豚肉や鶏肉に移行しており、
とりわけ高級品のイメージが強い和牛の需要は戻っていません。
一方、穀物価格の高騰をはじめ、生産コストが高止まっており、和牛生産者の経営を直撃しています」
そのような厳しい状況のなか、JA全農はどのような取り組みをしているのでしょうか?
「JA全農は、去年11月より『ちょっといい日に和牛をたべよう』を合言葉に、
和牛の消費喚起キャンペーンを展開しています」
「日常にふと訪れる『ちょっといい日』、例えば、家族のお祝い事に、大切な人との記念日に、
頑張った自分へのご褒美に、そんなときに和牛を食べていただけたらと思います」
「今後も、様々な企画を展開しますので、ご期待ください」
ちなみに、小山さんが好きな牛肉(和牛)の食べ方は「すき焼き」ということでした。
皆さんも、「ちょっといい日」に好きな食べ方で、牛肉(和牛)を食べてみてはいかがでしょうか。