きゅうり自動収穫ロボット
オンエアレポート
2024.02.01
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「きゅうり自動収穫ロボット」
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今回のイノベーターは、宮崎県に本社がある「AGRIST株式会社」の代表取締役CTO、秦裕貴さんです。
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AGRISTは、人工知能(AI)を活用して、
ピーマンやきゅうりなどを自動で収穫するロボットを開発しているスタートアップです。
そして、「きゅうり自動収穫ロボット」は、ハウスの中にレールを敷いて、そのレールの上を走るロボット。
大きさは、幅111センチ、奥行き68センチ、高さ152センチ、
バッテリーで約10時間、連続稼働することができます。
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きゅうりをどのように収穫するのでしょうか?
「レールの上を走行して、きゅうりを探し、発見するとアームを伸ばして、
吸引タイプの収穫ハンドで栽培環境や作物を傷つけずに収穫する機能を搭載しています」
「収穫に適した、きゅうりなのかどうか」の判断は、
ロボットに搭載されたカメラから得られた画像をAIが認識・判断し、収穫動作を行うといいます。
どのぐらいの時間をかけて、どのぐらいの数のきゅうりを収穫できるのでしょうか?
「30~40分ほどで40メートルの畝の間を1往復し、全体の平均4割ほどのきゅうりを収穫します。
将来的には6割を越える割合をとれるようになることを目指しています」
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どのような思いがあって、このようなロボットを開発したのでしょうか?
「収穫時の人手不足を解消するロボットの開発を始めました。
ロボットを軸にしたテクノロジーを活用して、
100年先も続く持続可能な農業を実現させることをビジョンに活動しています」
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このロボット、去年9月に埼玉県の農場で実際に使用したということです。
その農家さんはどのような感想を話していたのでしょうか?
「想像していた以上にスピーディに収穫できるロボットの性能に驚いていただきました。
また、隣の畝への移動についても自動化してほしいと要望もいただき、ロボットに期待していただいています」
今後はどのような展開を考えているのでしょうか?
「ロボットはどんな農場でも性能を発揮できるわけではありません。
仕立て方や畝の間など、ロボットに適した栽培方法にする必要があります」
「まずは、この栽培方法への変更にトライし、
収穫ロボットをいち早く取り入れたいと考えている生産者へロボットを提供し、実績を作っていきます」
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秦さんにお話を伺って、ロボットが進化していること、農業分野へのロボット導入が進んでいることを実感しました。
今後は、ロボットのさらなる進化と、それを導入する農家さんが増えることを期待しています。
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