キウイの“花粉”の生産を目指す 愛媛県の動き
オンエアレポート
今回、注目するのは、コチラ。2022.07.07
「キウイの“花粉”の生産を目指す 愛媛県の動き」
キウイフルーツの生産量・日本一の愛媛県。
なぜ、“花粉”の生産を目指しているのでしょうか?
今回のイノベーターは、
愛媛県 農林水産研究所果樹研究センターの主任研究員、宮田信輝さんです。
愛媛県がキウイの“花粉”の生産を目指す理由は、何なのでしょうか?
「『キウイフルーツかいよう病』という病気が世界中で蔓延したことで、
輸入する花粉の生産量が減少し、花粉の入手が困難になり、
花粉の価格が高騰することになりました。
花粉はキウイフルーツの生産にとっては、きわめて重要な資材であり、
その資材を輸入品に頼っていたのでは
全国一の産地を維持することは困難ということで、
県内で必要な花粉は、県内で生産する体制を作ることにしました」
そして、2017年から
大規模に花粉を生産するための技術開発試験の取り組みをスタート。
愛媛県 農林水産研究所果樹研究センターが開発した技術を導入して、
愛媛県松野町で花粉の商業栽培が始まっているということです。
キウイの花粉の生産。
その難しさについて、宮田さんは
「常にキウイフルーツかいよう病のリスクを考慮しながら、栽培すること」
とお話しされていました。
「キウイフルーツは果実を生産する“雌樹”と、花粉を生産する“雄樹”があります。
花粉生産用には雄樹のみを栽培します。
生産者にとって最も難しいのは、
雄樹がキウイフルーツかいよう病に感染すると、
花粉に病原菌が付着するため、花粉を出荷できなくなります」
花粉の生産は、2022年5月にスタートしたばかり。
2022年に採取した花粉を使って、2023年はキウイフルーツの試験栽培を行い、
本格的なキウイフルーツの栽培は2024年を見込んでいるということです。
現状、課題もあり、宮田さんは「花粉の生産の規模」を挙げていました。
「現在の規模では、県内の輸入花粉に相当する量は満たせないので、
規模の拡大が必要です。
さらに、栽培する農家を集めて、
愛媛県内の需要を満たせるようにすることが当面の目標です。
その後は、さらに生産規模を増やして、全国展開できるようにしたいと思います」
全国一の産地を維持するために始まった、キウイフルーツの花粉の生産。
非常に難しい、この挑戦が実を結び、
国内での花粉の生産体制が確立されることを期待しています。