みかんを腐りにくくするプラズマ殺菌装置
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2023.11.23
「みかんを腐りにくくするプラズマ殺菌装置」
今回のイノベーターは、東京・千代田区にある「株式会社タベテク」の田苗眞代さんです。
田苗さんによると、
「みかんを腐りにくくするプラズマ殺菌装置」は、空気を原料にプラズマの力でカビの発生を抑制する装置です。
なぜ、プラズマの力で、みかんが腐りにくくなるのでしょうか?
「プラズマによる刺激で柑橘類の表面を殺菌します。
さらに柑橘類はプラズマから身を守るために抗酸化物質をつくります。
殺菌効果と抗酸化物質の活性化により、みかんがカビや病気に強くなって、柑橘類が腐敗しにくくなるのです」
この装置を使うと、どのぐらいの期間、カビが生えないのでしょうか?
「夏場に、みかんの常温保存の実験を実施したところ、プラズマによる処理の有無で明確な差が生まれました。
プラズマ処理をした、みかんは3週間たっても見た目や味に変化がなく、ほとんどカビが生えませんでした」
どのような思いがあって、この装置を開発したのでしょうか?
「世界で生産される果物・野菜のおよそ半分は食べられずに捨てられています。
先進国では、消費される段階でのフードロスが問題になりますが、
途上国ではサプライチェーンが脆弱なため、生産や貯蔵の段階でフードロスが起こっているのが現状です」
「日本でもここ4~5年の暖冬により、生産現場で多くの農作物のロスが起こっています。
また、柑橘類はカビが発生しやすく、長期間の輸送には課題があります。
こういった状況を受け、この装置を開発しました」
田苗さん、このプラズマ殺菌装置について、
「将来的には、みかん以外の他の農作物にも使えるようにしていきたい」とお話しされていました。
近い将来、多くの種類の農作物に使えるようになり、農作物のロスが減ることを祈っています。