青森県・つがる市が目指す、メロンの“通年栽培”
オンエアレポート
今回、注目するのは、コチラ。2022.06.02
「青森県・つがる市が目指す、メロンの“通年栽培”」
農業所得の向上と新規就農者の確保につなげるため、
メロンの通年栽培の実現を目指している、青森県・つがる市。
今回のイノベーターは、この通年栽培に取り組んでいる、
青森県つがる市 観光ブランド戦略課の梶浦宏文さんです。
メロンの「通常の栽培方法」と、つがる市が目指している「通年栽培」。
何が違うのでしょうか?
「通常の栽培方法では春から夏にかけて栽培し、
1つのハウスで年1回360キロ程度(1株で3玉~4玉)の収穫となります。
一方、通年栽培の「水耕栽培」は通年で2.5回、1600キロ程度(1株から30玉)と
年間で4倍以上の収穫が可能です。
つがる市のような雪国でのメロン栽培ではコストが課題となりますので、
多収(=収穫量が多いこと)が期待できる、この栽培方法を選択しました」
「通常の栽培方法」では通年栽培ができないのに、
「水耕栽培」だと、なぜ通年栽培ができるのでしょうか?
「通常の土耕栽培に比べ、
水耕栽培はヒーターで容易に水温を一定に保つことが可能で、
室温はつがる市で多い温泉施設の廃湯熱を利用して、コストを抑え、
通年栽培に取組んでいます」
寒い、つがる市でも、年間通して、水温を一定に保つことができ、
それが4倍以上の収穫量につながっているのだという。
今後の課題は、
水耕栽培に適した品種は数が少なく、品種によって品質の差が大きいこと。
ただ、今年は、市の事業で施設の拡張が計画されており
一定の収穫量が確保できるようになる、と梶浦さんはお話しされていました。
通年で安定して、メロンを収穫できるようになったら、
つがる市の農業は、どのように変わるのでしょうか?
「年間を通して収入が得られることで、
若い人や他の産業の従事者及び県外の人などにも
興味を持っていただけると思っています。
その結果、就農者が増え、町の活性化につながることを期待しています」
メロンの通年栽培が普及し、新規就農者が増加。
さらに町が活性化する。
メロンの通年栽培というチャレンジを通して、
つがる市の明るい未来が見えた気がしました。