健康食品のカプセルを肥料にするプロジェクト ゼライクル
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.07.13
「健康食品のカプセルを肥料にするプロジェクト ゼライクル」
今回のイノベーターは、「中日本カプセル株式会社」の須原渉さんです。
「中日本カプセル」は、健康食品やサプリメントを製造している会社です。
健康食品のカプセル
そして、健康食品のカプセルを肥料にするプロジェクトが「ゼライクル」です。
「健康食品やサプリメントで、ソフトカプセルを製造する際には、ゼラチンが用いられます。
ゼライクルは、ソフトカプセルを製造した時の“ゼラチン残渣”(カプセル製造時の抜きカス)を
有効活用するプロジェクトのことです」
「現在、肥料や接着剤として、再活用を提案・推進しています」
「“ゼライクル(Gelycle)”という言葉は、『ゼラチン×リサイクル』を表す造語です」
なぜ、“ゼラチン残渣”を肥料として活用しようと思ったのでしょうか?
「これまで、ゼラチン残渣は、産業廃棄物として焼却処分していました」
「処分費用がかかるだけでなく、
焼却処理により、温室効果ガスとなる一酸化二窒素が発生するため、
地球温暖化防止、SDGsの観点から再活用するプロジェクトを企画・立案し、立ち上げました」
どのように加工すると、肥料になるのでしょう?
ゼラチンは、動物(牛、豚、魚)の骨や皮からとれる、良質なコラーゲンになります。
コラーゲンはアミノ酸なので、分子の中に確実に窒素を含みます。
この窒素が、植物の成長に必須成分の1つであり、有機質であることに注目しました。
肥料は以下の3パターンの形で展開。
・ゼラチン残渣そのままのタイプ
・ゼラチン残渣を分解して、液状に加工したタイプ
・ゼラチン残渣を乾燥粉砕して、チップ状にしたタイプ
現在は、主に肥料メーカーで窒素の調整などに使われていて、
これまでに、イチゴ、トマト、お茶、バナナ、小松菜などで、栽培実績があるということです。
「中日本カプセル」の経営理念の1つは「健康社会への貢献」。
須原さん、今後については、このように話していました。
「健康食品を製造することで、人々の日々の健康を支えるだけでなく、
ゼライクルを推進することで、地球そのものを健康にできることに役立ちたいと考えています」
「また、今後は、農業分野にも
これまで培ってきたカプセル技術を展開することにチャレンジしたいと思っています」
中日本カプセルの技術を農業分野に活用する。これは、わくわくしますね。
「ゼライクル」だけでなく、
今後、農業に関する様々なプロジェクトが生み出されることを期待しています。