和紙の原料となる植物“トロロアオイ”の再食品化
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.06.29
「和紙の原料となる植物“トロロアオイ”の再食品化」
今回のイノベーターは、「企画屋かざあな」の川口洋一郎さんです。
「企画屋かざあな」は、日本の伝統文化を人と人の和で解決し、次世代につなぐ活動をしています。
川口さんによると、トロロアオイは、「花オクラ」とも言われ、ほとんどオクラのような植物。
“根”の部分が和紙の原料になるといいます。
「根をすりつぶすと、とろとろした粘液が出て、その粘液を使います。
手すき和紙の技術はユネスコに登録されており、トロロアオイを使うことが必須条件になっています」
和紙の原料なのですが、昔は蕎麦のつなぎやかまぼこに使われ、食べられていたということです。
こうした中、「企画屋かざあな」では、このトロロアオイの「再食品化」に取り組んでいます。
これには、どのような思いがあるのでしょう?
「トロロアオイを育てる農家さんがどんどん減っていまして、
その原因が、育てても、生計が成り立たないことです」
「このままでは、手すき和紙も、あと3年で、できなくなってしまう可能性がある状況になっています」
「和紙の原料と食品に使われることで、農家さんの生計を成り立たせ、
育ててくれる方を増やしたいという思いがあります」
左が川口さん
トロロアオイは、味はほぼなく、とろとろしたオクラのような食感。
和紙の原料に使われない茎や葉、生育不足の根を乾燥させ、粉末にして、
とろみ剤の代わりや野菜ハンバーグのつなぎ、お好み焼きのような食べ方ができるということです。
川口さんは「花をサラダに入れ、つぼみは揚げてスナック菓子のように食べると美味しい」と、
おすすめの食べ方を教えてくれました。
調理したトロロアオイ
トロロアオイを栽培している農家さんを増やしていくため、
「企画屋かざあな」では、どのような取り組みをしているのでしょうか?
「2年前から、全国の家庭でトロロアオイを育てていただく取り組みをしています」
「この結果、たくさんのトロロアオイを出荷するような例も出てきており、
一般の家庭と農家さん、職人さんがつながった交流を広めていくことで生産量も増やしていけると考えています」
今後は、どのような取り組みをしていこうと考えているのでしょうか?
「粉末にするだけではなく、とろみを活かしてドレッシングを開発し、
トロロアオイの農家さんが作った、他の野菜をより食べていただくバックアップにもなるようなことをしていきたいです」
調理したトロロアオイ
手すき和紙の原料として欠かせない、トロロアオイ。
栽培する農家さんを増やしていくためには、栽培するメリットを生み出すことが重要かと思います。
川口さん、そのための取り組み、今後も続けていってください。