「ペットボトルハウス」from 千葉県
オンエアレポート
今回のお話はこちら。2022.04.07
リサイクルのペットボトルを骨組みに使った、農業用ハウス
農業を未来に向けて切り開くイノベーターは、
千葉県立農業大学校、研究科・1年の澄川涼太さんです。
以前、千葉県を襲った台風で、地域の農家さんのハウスが何棟も倒壊。
もっと災害に強いハウスができないかな~、と考えていたという澄川さん。
澄川さんが通う農業大学校には、
学生さんたちが飲んだ後のペットボトルが、ゴミ置き場にたくさん!
この素材を生かしてハウスを作ることができないかと、考えるようになったそうです。
使用するのは、2リットルの硬いペットボトル。
ペットボトルどうしを合体させて、
ロープや、グラスファイバー素材の軽量で強度がある農業用の支柱を
ペットボトルの中に通します。
これによって、きれいなアーチ状の、
軽くてしっかりとしたハウスの骨組みが完成!
※間口3m、奥行4m、高さ2m。
4人いれば、簡単に持ち上げて移動することができるほか、
パタンと平らにもなる、これまでにない“新しい”ハウスです。
しかも製作費は、3万円程度でできちゃうんですって!
このハウスを活用して、澄川さんが所属する「病害虫専攻教室」でおこなっているのは、
農作物を荒らす害虫を食べてくれる、「天敵昆虫」の飼育。
澄川さんのお話です。
「天敵昆虫を買うとなると、値段が高くなってしまいます。
千葉県の農家の皆さんには、自分で天敵昆虫を飼育できるようなスペースとして、
このペットボトルハウスを利用してもらいたいと思っています。
そのためにも、誰でも簡単に作れるような、ペットボトルハウスのマニュアルを作って、
普及に努めていきたいと考えています。」
このハウスを活用して、肉食性のカメムシなどの天敵昆虫を育てて、
農家さんに供給していきたい、と話してくれた澄川さん。
「天敵昆虫と、ペットボトルハウスを組み合わせた
害虫防除方法を全国に広げていくことが、私の夢です。
さらに、研究を続けて、野菜の栽培にも利用できるビニール温室を
作りたいと考えています。」
※卒業論文の発表をする澄川さん
身近にあるものを再利用して、農家さんのためになる技術開発と、
化学農薬の使用を減らした、環境に優しい農業の実現を目指したい。
そんな熱い想いを語ってくれた、澄川さんでした。
澄川さん、若い力でこれからのニッポンの農業を支えていって下さいね。
川瀬良子も応援しています!