“竹”を使った、ドーム型の農業用ハウス
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2023.06.22
「“竹”を使った、ドーム型の農業用ハウス」
今回のイノベーターは、「NPO法人みんなの畑の会」の西田敏明さんです。
西田さん、「農業用ハウス」の材料に“竹”を使おうと考えた理由は何なのでしょうか?
「私たちが暮らしている、石川県金沢市の四十万地区は
約8000人が暮らす自然豊かな、住宅区域として発展してきました。
緑が多く、環境の良い土地を求めて、人口は増えています」
「一方で、高齢化と後継者不足で、貴重な田畑がなくなり、里山が放置され、自然環境が悪化して、
竹林がジャングル化しています。竹林の整備には多くの時間と労力がかかります」
「そこで、『みんなの畑の会』では産学公民に働きかけ、
協働のボランティア活動で竹林整備を進めています。その1つが、竹を活用した“農業用ハウス”です」
いわゆる、“かまぼこ型”ではなく、“ドーム型”を提案しているのは、なぜなのでしょう?
「竹のしなりを利用して、10年前から、かまぼこ型ハウスを作ってきた実績から、
もっと簡単なドーム型のハウス作りを開始したところ、全国から作り方の説明を求める方が増えたので、
マニュアルを作成してお届けしています」
竹を使ったドーム型の農業用ハウス「竹ドーム」は、半球型。
大きさは2パターンあり、「直径5.5メートル、高さ2.8メートル」と「直径3メートル、高さ2メートル」です。
材料は、1棟あたり、約30本の竹やビニール、ボルトが必要。
5~6人で作業すれば、2週間程度で作れるということです。
材料費は4万円弱で、鉄パイプの農業用ハウスに比べると、かなり、コストが抑えられるようです。
気になるのは強度です。
西田さんによると、「竹はしなるため、雪や台風に強く、壊れにくい」ということです。
実際に「竹ドーム」を建てた農家さんは、どのような感想を話しているのでしょうか?
「普通の農業用ハウスは、雪が降るときはビニールを外さないといけないが、
竹ドームは外さなくてよく、『手入れが楽』という感想を聞いています」
竹林の問題の解決につながる可能性がある「竹ドーム」。
建ててみたいという農家さんは、「NPO法人みんなの畑の会」のHPをチェックしてみてください。
「NPO法人みんなの畑の会」HP