ブタの鼻で耕作放棄地を耕す“鼻耕法”
オンエアレポート
今回、注目するのはこちら!2023.06.08
「ブタの鼻で耕作放棄地を耕す“鼻耕法”」
今回のイノベーターは、愛媛県西予市で養豚業を営む、「長岡ピーズファクトリー」の長岡慶さんです。
長岡さん、ブタの「鼻耕法」とは、何なのでしょうか?
「字の通り、ブタの鼻で土地を耕す方法です」
「ブタはイノシシが先祖なので土の中の虫を探したり、寝床を掘ったりするので、土地を耕すことに、長けています。
その習性を活かして、耕作放棄地のような堅い土地にブタを放牧し、ブタに耕してもらうことが目的です」
長岡さんが、ブタの放牧を始めたのは去年(2022年)の3月。
どのようなきっかけがあったのでしょうか?
「もともとは、豚舎でブタを育てていたのですが、
ブタをストレスフリーに育ててあげたいというところから、ブタを野に放つことを考えました」
「私たちが住んでいる町は海と山の村で、平坦な土地がありません。
周りの農家の高齢化に伴い、斜面の農地、先祖が代々築き上げた段々畑は、どんどん耕作放棄地になっています。
斜面は重機が入れないんです。
そこで、ブタと共に農地に戻していけばいいのでは、と考えたのがきっかけです」
人間の背丈ほどの雑草で覆われた状態だった耕作放棄地が、
ブタを放牧することによって、どのような状態になるのでしょうか?
「2か月程度で地面が見えるほどに再生します」
「その後、何を植えるかにもよると思いますが、地面が綺麗になるのは2か月、
その後、窒素固定の植物を植えたり、放牧をしたりを繰り返して、いい土地になればいいなと思っているので、
早ければ2か月、最低でも1年ぐらいかなと思っています」
現在は5か所の耕作放棄地で25頭のブタを放牧。
これとは別に3か所の耕作放棄地を再生した、ということです。
ブタの「鼻耕法」で再生した農地を使いたいという農家さん、出てきているのでしょうか?
「再生した農地を使って、農業を始める人はまだ見つかっていません」
「今後、Uターン、Iターンしてきた人が農業をしたい、となった時にすぐに提供できるよう、
体制を整えておきたいと思っています」
長岡さん、今後については
「実際に農業をして、どんな野菜がどのくらい育つのかを見てみたい。
そして、実際に採れた野菜、お肉を地域の方に振る舞いたいと考えています」と、お話されていました。
長岡さんの取り組みによって、地域が活性化していくこと、祈っています。
長岡さん、引き続き、頑張ってください。