無人で走る、軽トラック
オンエアレポート
2023.05.18
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「無人で走る、軽トラック」
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今回のイノベーターは、「農研機構」の倉鋪圭太さんです。
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農研機構が開発した、人が乗らなくても、自動で走ることができる、軽トラック。
どのような仕組みなのでしょうか?
「基本はGPSなどの衛星測位システム(GNSS)からの位置情報によって走ります。
GNSSでの位置の計測が困難な中山間地域などでも走行できるよう、
カメラなどのセンサーを使って、道路を検知して走行する機能があることが特徴です」
「タブレット端末に表示された地図上で目的地を指定することで、軽トラックが走行します」
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なぜ、このような軽トラックを開発したのでしょうか?
「運搬作業は生産物に関わらず、共通の作業で、自動化すると効果が高いだろうと思い、開発を始めました」
「開発の事前調査で農家の方からお話を伺ったのですが、想像以上に運搬作業に時間をとられていて、
ニーズが高いことが分かりました」
「ある農家さんはご自宅から10km以上も離れたところに畑があり、収穫の時期には
そこを何往復もしなければならなくて、非常に時間がかかっているというお話を聞きました」
「別の方のお話では、収穫時期には作業と搬送で人手が足りなくて、
スケジュールがどんどん後ろにずれてしまうというお話もありました」
収穫物の輸送だけでなく、肥料や資材、農機具の搬送など、幅広い用途を想定しているということです。
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この軽トラックが畑や農道を走ることは、法律上、問題ないのでしょうか?
「畑は私有地ですので、自動運転の車両が走ることは問題ありません」
「農道や公道については、自治体や警察に相談し、道路使用許可を取って実験を行っています。
警察の指導の下、交通整理や、う回路の設定を行うことによって、許可をいただいています。
道路工事と同じようなイメージです」
「ただし、これは期限を定めた一時的なもので、将来的には法律でルールを定める必要があります」
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農家さんが実際に使えるようになる時期については
「実証実験での実績を重ねて、早期の実現を目指している」とお話しされていました。
現状、どのような課題があるのでしょうか?
「法律的な問題はもちろんですが、技術的な課題としては、
まずは農道という難しい環境できちんと動く機械にすることです」
「農道は一般道と違って、未舗装であったり、ぬかるんでいたりと、多様な路面があります。
道幅も狭く、側溝のそばなど危険な場所もあります。
道路を含めた、周りの環境をきちんと認識して、正確に走行できる技術を開発することが課題です」
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この軽トラックを農家さんが使えるようになったら、日本の農業はどのように変わるのでしょうか?
「今後、開発される様々な自動運転農機と連携して、
まるで工場のような効率的な生産システムが実現するのではないかと考えています」
「例えば、自動運転田植機が田植えをしていて、
苗が少なくなってきたら、補充の苗を軽トラックが自動で運んでくる、といったイメージです」
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倉鋪さん、まだ課題は多いですが、農家さんの負担を減らすため、実証実験、頑張ってください。