霧島酒造のさつまいも発電
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.05.03
「霧島酒造のさつまいも発電」
今回のイノベーターは、宮崎県都城市に本社がある「霧島酒造」の德永奈々さんです。
德永さん、「さつまいも発電」は、どのような発電方法なのでしょうか?
「主に芋焼酎を製造している霧島酒造では、製造工程で排出される焼酎粕や芋くずなどの
さつまいも由来の副産物を、メタン発酵させてバイオガスに変えて、
工場の燃料としてリサイクルする取り組みを2006年から行っています」
「さらに、そのバイオガスを使用した発電事業を2014年に開始し、“さつまいも発電”と名付けました」
なぜ、“さつまいも由来の副産物”を発電に使おうと思ったのでしょう?
「霧島酒造は、芋焼酎造りでさつまいもを年間約10万トン使用していて、
焼酎粕はその倍の約20万トン出てきます」
「霧島酒造では、地元・九州の農家さんに作っていただいた さつまいもから生まれる
“焼酎粕も宝である”という考えのもと、焼酎粕の有効な利用方法を考え続けてきました」
「そこで出てきたアイデアが、焼酎粕のバイオガス化、そして、電力化することでした」
「さつまいも発電」で生み出した電力の大半は、電力会社に買い取ってもらい、
霧島酒造の本社がある宮崎県都城市の周辺地域の一般家庭の電力として利用されているということです。
それだけでなく、2021年には社内にさつまいも発電の電力を利用できるEVの充電スタンドを設置。
さつまいも発電の電力で走る社用車「さつまいもEV e-imo」を4台導入した、とお話しされていました。
芋焼酎を製造していることから、さつまいもと深い繋がりがある、霧島酒造。
さつまいも農家さんについては、どのような思いがあり、どのようなことを感じているのでしょうか?
「近年、基腐病という病気が流行し、農家さんにとっては大変な状況で、
さつまいもの生産を続けていくことに対して、不安を感じていらっしゃると思います。
霧島酒造においても、2年連続で計画していた確保量を満たすことができませんでした」
「芋焼酎の製造を営む霧島酒造にとって、さつまいもは守り続けていくべき価値のひとつで、
基腐病に対する対策や支援は、最優先で取り組むべき課題です。
いわば運命共同体ともいうべき生産農家の皆様と一致団結して、この難局を乗り越えたいと考えております」
霧島酒造では、農家さんに安心して、さつまいもを生産してもらうため、
さつまいもの苗を生産する施設を建設することになった、ということです。
さつまいも農家さんの安心につながるよう、
さつまいもに関する取り組み、これからもぜひ、続けていってください。