お米専用の貨物列車“全農号”
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2023.04.27
「お米専用の貨物列車“全農号”」
今回のイノベーターは、「JA全農」米穀部 主食課の上田大介さんです。
「全農号」は、貨物列車を車ごと貸切り、お米を専用に輸送する列車のこと。
狙いは「2024年問題に向けた対応」だということです。
「トラックドライバーの労働制約が強まる『2024年問題』に向けた対応です。
2024年度からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が強まり、
特に長距離輸送について、輸送力の不足が懸念されています」
「そんな中、ドライバーの負担軽減へ、
トラックから船舶や鉄道への輸送に転換する“モーダルシフト”が注目されています。
鉄道輸送を取り入れ、米の安定供給に向けた輸送ルートを確保するのが『全農号』の狙いです」
「全農号」を運行するために、3月に試験輸送が実施されました。
3月5日の午前7時半に青森県八戸市の貨物駅を出発。
秋田、新潟、金沢などの各駅で、周辺産地の倉庫からお米を積み込み、
3月6日の午後5時半に、大阪市の貨物駅にコンテナ100基分(500トン)のお米を届けたということです。
この試験輸送では、どのようなことが分かったのでしょうか?
「試験輸送の準備段階では、1回の輸送で100基の貨物が集まるかどうか不安でしたが、
取引先のご協力や、産地側の調整をお願いした結果、
事前に予定したスケジュールで100基の運行を実現することができるということが分かりました」
実際に運行することになった場合のルートについては
「試験輸送で通ったルートを基本としつつ、
最終的にはJR貨物様のほか、関係者と協議のうえ、決定したいと思います」と、お話しされていました。
「全農号」の運行開始、いつ頃を予定しているのでしょうか?
「運行開始については、貨物列車を運行するJR貨物様と相談をしています。
専用列車を導入するためには、貨物列車の運行ダイヤを調整する必要がありますので、時間を要します。
今年度、さらに複数回の試験輸送を行い、早いうちに定期運行化を実現したいと考えています」
「2024年問題」への対応として、動き出している「全農号」。
輸送力が不足する前に、こうした対応を進めておくのはとっても大事なことですよね。
上田さん、一日でも早く、運行が開始されることを祈っています。