トリュフの人工栽培、国内で初めて成功

今回は、こちらに注目します。

「トリュフの人工栽培、国内で初めて成功」

今回のイノベーターは、「森林総合研究所」の山中高史さんです。

今年2月、高級食材として知られている「トリュフ」の人工栽培に国内で初めて成功したと、
森林総合研究所が発表しました。

山中さん、トリュフを人工栽培しようと思った理由は何なのでしょうか？

「国内で流通するトリュフは全てが海外からの輸入によるものです。
野生のトリュフは希少で、人工栽培の技術は確立されていませんでした」

「また、森林総合研究所では、国内の林業の振興や中山間地域の活性化を目指した研究開発を行っています。
林業は植栽後、木材を収穫するまで、最低、数十年かかる中で、
それまでの現金収入を確保するために、キノコ栽培が重要ではないかと思い、
様々な種のキノコ栽培技術の開発に取り組んでいるところです」

「こうした理由から、国産トリュフの栽培化を目指し、2015年度から研究プロジェクトを開始しました」

トリュフの人工栽培、どのように行ったのでしょうか？

「トリュフの菌を根につけた苗木を植えて、育てました。
これによって、土の中にトリュフの菌糸が広がり、トリュフが発生。
発生したトリュフが土の上に出てきたということです」

人工栽培の難しさについては
「トリュフ菌を付けた苗木を作ることが最初は上手くできなかった」とお話しされていました。

人工栽培した、トリュフ。
海外産と同様に芳醇な香りがし、具体的に言うならば、「にんにくの香り」。

ただ、研究資料のため、食べずに保管しているということでした。

山中さんも、まだ食べていないという人工栽培のトリュフ。
私たちが購入できるようになるのは、いつ頃なのでしょう？

「トリュフが毎年出るか、安定的に生産できるかなど、課題がまだあります」

「具体的な時期は言えないのですが、強いて言えば、10年程度はかかると考えています」

まだ先の話ではありますが…
トリュフが安定的に生産できるようになったら、日本の農業にはどのような影響があるのでしょうか？

「トリュフは、木を植えて栽培する林産物なので、農業への直接的な影響は少ないと思われます」

「しかし、現在の休耕田や耕作放棄地を活用して、トリュフの栽培は可能であり、
現在の農作業の年間スケジュールに組み込むことができれば、新たな収入源となるのではと考えます」

高級食材のトリュフ、山中さんの研究次第では、安く購入できる日がくるかもしれません。
そうなるよう、人工栽培の研究、頑張ってください。