栃木県大田原市で始まる新たな農泊 日本版アグリツーリズモ
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.04.06
「栃木県大田原市で始まる新たな農泊 日本版アグリツーリズモ」
今回のイノベーターは、栃木県大田原市にある会社「大田原ツーリズム」の社長、藤井大介さんです。
「農泊」は、農村などに滞在し、地域の暮らしを体験することなのですが、大田原市で4月に始まるのは“新たな農泊”。
「アグリツーリズモ」とは、何なのでしょうか?
「『アグリツーリズモ』とは、農家さんが運営するホテルのことです。
ヨーロッパでは盛んで、その先進事例がイタリアです。
『日本版アグリツーリズモ』は、この農家さんが運営するホテルを日本でやろうという取り組みです」
「アグリツーリズモ」に注目したのは、何か、きっかけがあったんですか?
「大田原ツーリズムでは、11年前ぐらいから農家民宿のコーディネートを始め、
今では、大田原市内を中心に近隣4市町で180軒の農家民宿をコーディネートしています。
これによって、観光地ではない大田原市に農業体験や農家民宿をするために、国内外の団体がたくさん来ています。
ただ、現状は団体旅行が中心で、個人旅行がしたいという方への受け入れができていませんでした。
こうした状況を受け、日本版アグリツーリズモをやってみようと考えました」
「4月始まる日本版アグリツーリズモでは、個人旅行をしたい方が365日いつでも泊りに来ることができるように、
農家さんが自分の敷地内にある建物を改修して、ホテルにしました」
利用者が宿泊するのは“農家さんの家ではない”というのが大きな特徴です。
また、改修費用は農家さんが基本的に支払うのですが、費用の半分は農水省から補助金が出ているということです。
この日本版アグリツーリズモ。
6軒(大田原市内の5軒と那須町の1軒)の農家さんが
4月以降、順次営業が開始できるように準備を進めている、と藤井さんはお話しされていました。
では、実際に利用した場合、どのような体験ができるのでしょうか?
「大田原市はコメの産地で、関東一のコメの生産量を誇っています。
コメが魅力(セールスポイント)なので、たとえば、かまどでコメを炊いて食べる体験ができます。
こちらの体験は火起こしからやるところもあります。
キャンプファイヤーのように火を見ながら、コメが炊けるのを待つのも楽しいです。
その他には、発酵体験を売りにしている、アグリツーリズモもあります」
そして、「田んぼが広がる風景」も魅力の1つだということです。
「大田原市は、コメ農家さんが多く、田んぼが市内にたくさんあるんです。
田んぼに水を入れる時期から秋の収穫の時期まで稲穂が広がっていて、これが絶景で、とっても癒されます」
この春の行楽シーズンに利用したくなる、魅力的な農泊ですね。
日本版アグリツーリズモ、今後はどのようにしていこうと考えているのでしょうか?
「アグリツーリズモに取り組む農家さんを、今後は10軒、20軒と増やしていきたいと思っています」
「また、今回の取り組みが成功することで、
日本各地の農家さんがアグリツーリズモに取り組んでいっていただけるといいなと思っています」
藤井さん、今回の取り組みが成功することを祈っています。
そして、大田原市以外の地域にも広がるような、
農家さんと利用者、どちらにとっても魅力的な“農泊”に育っていってほしいと思いました。