アクアポニックスに挑んでいる 東京・青梅市の団体
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.03.23
「アクアポニックスに挑んでいる 東京・青梅市の団体」
今回のイノベーターは、
一般社団法人「Iwakura Experience」のメンバーで「繁昌農園」の代表、繁昌知洋さんです。
繁昌さんが所属している「Iwakura Experience」は、
東京都でありながら自然豊かな、東京青梅市・岩蔵地区の魅力を発信している団体です。
「農」をテーマに、温泉、文化、観光などを掛け合わせて、新しい価値を作り上げて、
地域活性化に貢献しているということです。
そして、今、取り組んでいる「アクアポニックス」は、「水耕栽培」と「魚の養殖」を組み合わせた、次世代の循環型農法。
繁昌さん、どのような農法なのか、もう少し詳しく教えてください。
「魚はフンをしますが、その水を通して、フンをろ過させて、野菜が育つ培地へ栄養分として流します。
その培地には微生物がたくさん住んでいて、フンなどの有機物を無機物に分解してくれるのです。
そこで初めて、野菜の根から栄養分として吸収して、野菜は成長します。
また、そこを通った水はきれいな水として、魚の水槽に戻っていきます。
この過程は、ある意味、地球環境そのもので、小さな地球を見立てています」
このアクアポニックスの実証実験をサンシャイン水族館と協力して行っているということです。
具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
「育てている魚は東南アジア原産のパンガシウスというナマズと、錦鯉、ピラニアに似た南米のメチニスです。
野菜はリーフレタス、春菊、サラダケール、パクチー、エディブルフラワーなどを育てています」
今は実証実験の段階。
アクアポニックスで野菜を安定的に栽培することは可能なのでしょうか?
「試行錯誤中になります。
畑で栽培するにも土づくりをして、微生物の多様性を高める必要がありますが、アクアポニックスでも同様です。
魚と野菜、水の中の生態系を整える必要があります。
自然界では、ごく当たり前のように行われている、この過程を再現することは難しいのです」
「初期は野菜が育たなかったり、魚が病気になってしまったりすることもありましたが、
しっかり生態系を尊重することで、野菜の収量も上がり、やっと安定してきました」
ちなみに、アクアポニックスで育てた野菜。
繁昌さんによりますと、えぐみが少なくて食べやすいとのことでした。
繁昌さん、これからもアクアポニックスに挑み続けてください。
そして、アクアポニックスで育てた野菜を食べられる日が来ることを楽しみに待っています。