長野県の会社が作る“りんごレザー”
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2023.03.16
「長野県の会社が作る“りんごレザー”」
今回のイノベーターは、長野県にある「株式会社SORENA」の代表 伊藤優里さんです。
「りんごレザー」とは、長野県のりんごジュースなどから出た「搾りかす」を活用してできる、
新たなバイオマスレザーのことです。
「りんごの搾りかす」をレザー(=革)にすること、どのようなことがきっかけで始めたのでしょうか?
「前職のフルーツ加工会社に勤めていたとき、3つの違和感がありました。
1つ目は、長野にはこんなにおいしい果物がたくさんあるのに、使用している果物は輸入品が非常に多く、
しばしば価格や時間に左右されていたこと。
2つ目は、特に夏場の果物は虫や傷んだりして規格外となり、廃棄されることもあったこと
3つ目は、2019年の台風で多くの作物が被害に遭い、りんごの栽培をやめてしまう農家さんもいたこと。
これらのことに疑問を抱いたことが“りんごレザー”を始めるきっかけになりました」
「りんごの搾りかす」を活用してレザーにするということですが、
どのような加工をすると、レザーになるのでしょうか?
「まずは、搾りかすを乾燥機に丸2日ほど入れて、水分を完全に抜きます。
次にそれを粉砕機にかけて、粉にします」
「そして、その粉をウレタンなどと混ぜ合わせて加工し、ようやく、りんごレザーの完成となります」
「りんごレザー」は、軽量で水に強く変色しにくい。
手触りは柔らかくて、しっとり程よい艶のある上質な質感だということです。
レザーの香りについては
「加工段階で香りは薄まっていくため、りんごの香りはしない」とお話しされていました。
このレザー、どのように使うことを想定しているのでしょうか?
「財布やカバンなどの雑貨はもちろんのこと、洋服やソファーなどの家具、テーブルクロスなど
多くの用途でお使いいただけることを想定しております」
伊藤さん、りんごレザーの可能性については、このようにお話しされていました。
「りんごレザーはエシカル素材として注目されています。
そのりんごレザーを使用した製品を作ることで、生産者の皆さんもブランド価値を高め、
それによって地域の循環活動に貢献することができたらいいと思っています」
りんごレザーを使った商品。
今は4月以降の一般販売に向けて準備を進めているということです。
伊藤さん、どんな商品が販売されるのか、楽しみです。
そして、製造と販売が軌道に乗り、長野県のりんごのブランド価値を高める存在になることを祈っています。