“アグリテック甲子園”で優秀賞を受賞した高校
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.02.22
「“アグリテック甲子園”で優秀賞を受賞した高校」
「アグリテック甲子園」は、全国の高校生、高等専門学校の生徒、大学生、大学院生が
農業にイノベーションをもたらすアイデアを競うコンテスト。
今回のイノベーターは、
このコンテストで優秀賞を受賞した「岡山県立瀬戸南高等学校」の野上広志先生です。
瀬戸南高等学校が発表したのは「自動操舵システム、多数回中耕除草でらくちん農業を!」。
あまり聞いたことがない言葉が2つも出てきましたが、
まず、「自動操舵システム」というのは、どのようなシステムなのでしょうか?
「人間がハンドル操作しなくても、田植えした後、田植機の通った軌跡と同じところを除草機が走り、
稲を傷めることなく、中耕除草ができる自動操舵システムです」
(※「中耕」とは、作物の生育の途中で、土の表面を浅く耕すこと)
では、「多数回中耕除草」とは、何なのでしょう?
「江戸時代に完成していた農法で、田植え後、何回も中耕することで稲が増収するという技術です」
このアイデアが「アグリテック甲子園」では、「優秀賞」を受賞。
どのようなところが評価されたのでしょうか?
「多数回中耕除草によって、耕地面積の約54%を占める水田で、
無化学肥料、無農薬栽培が楽にできて、
農薬や肥料代はもちろんのこと、それを散布したりする様々な機械もいらなくなること。
また、大変だと思われていた有機農業が簡単に実現でき、
有機米として付加価値の付いた米の販売の仕組みを構築することで、農家の所得も向上します。
さらに、機械に乗っているだけの作業なので、
高齢者や農業経験の浅い人でも取り組める農法であることだと思います」
「優秀賞」を受賞したこと、野上先生は
「とても名誉なことだと思います。生徒にとっても大きな会場での発表や質問への受け答えなど、
良い経験になったと思います」とお話しされていました。
また、アイデアを発表した生徒は
「特に東京大学の農学科の先生に講評で誉めていただいたことが、
優秀賞をとれたことより、うれしかった」と話していたということです。
今回、アイデアを発表した瀬戸南高等学校の生徒の皆さん、
農業にイノベーションをもたらすアイデア、これからも提案し続けてくださいね。