ビワの日本一の産地・長崎県で ビワ農家さんがアボカドを栽培
オンエアレポート
今回は、こちらに注目します。2023.01.26
「ビワの日本一の産地・長崎県で ビワ農家さんがアボカドを栽培」
今回のイノベーターは、「長崎アボカド普及協議会」の会長、原口誠司さんです。
ビワの栽培面積、収穫量ともに日本一の長崎県で、
ビワを生産している農家さんがアボカドの栽培を進めているということです。
原口さん、なぜ、ビワ農家さんがアボカドの栽培を進めているのでしょうか?
「長崎県は高齢化で農業が難しく、遊休農地が増えています。
ビワやみかんの農家の栽培面積が減って、農地が荒廃していました。
農地の荒廃は、ビワ農家、みかん農家の共通の課題でした。
こうした状況を食い止めるために、どんな農作物をつくればいいかと考え、
アボカドの栽培を長崎県で始めました」
ビワやみかんの農家さんの栽培面積が減っている。これはなぜなのでしょう?
「ビワは春先に袋をかけないといけなく、労力が大変なんです。
また、木が大きくなると、脚立を使って作業する必要もあります。
私はみかん農家ですが、みかんは年間5回~8回、農薬をかけないといけません。
それ以外にも、年間を通して、多くの作業があります」
こうした状況を食い止めるために、長崎県で始まっているアボカドの栽培。
アボカドに目を付けた理由は何だったのでしょうか?
「アボカドは、現在、消費量が増えていますが、国内の生産量はゼロに等しい。
また、長崎は温暖で、農作物がつくりやすい。
アボカドは亜熱帯の植物なので、暖かい地域での栽培に向いている果樹です。
さらに、アボカドは農薬散布をしなくても育ち、冬場にも収穫可能。
1回、苗を植えたら5~6年で収穫。その後、30~40年ぐらい、収穫できます。
高枝ばさみで収穫できるので、収穫も楽。
単価も高いので、数をたくさん、とらなくてもいいなど、メリットが多い農作物です」
ただ、収穫に至るまでが大変だったということです。
原口さんが、アボカドの栽培を始めたのが2010年ぐらい。
当時は、国内の苗木がなく、種を輸入して、苗の台木をつくることから始めました。
苗木ができたのが2013年ぐらいで、初めての収穫は2018年ぐらい。
そして4年前に、長崎県内の希望する農家さんに苗木を1000本、配布。
今では、長崎県内で120~130人がアボカドを栽培しているということです。
原口さん、長崎でのアボカドの栽培、今後はどうしていきたいと考えていますか?
「長崎県内に『長崎アボカド普及協議会』の支部が4つあり、
そこを中心にして、アボカドの栽培を広げていきたいと思っています。
栽培が広がり、アボカドが、みかん、ビワに続く、第3の果樹になってほしい。
さらに、長崎がアボカドの産地になり、
それに魅力を感じる若い人が県内にとどまってくれればいいと思っています」
近い将来、アボカドが長崎県の第3の果樹になるといいですね。
原口さん、応援しています。