中山間地域の農業を支える熊本県のアイスクリームメーカー
オンエアレポート
今回、注目するのはこちら。2023.01.19
「中山間地域の農業を支える熊本県のアイスクリームメーカー」
今回のイノベーターは、
熊本県山鹿市にある「株式会社パストラル」の代表取締役、市原幸夫さんです。
中山間地域というのは、
山と山の間など、地理的な条件が悪く、農業をするのに不利な地域のことなのですが、
なぜ、アイスクリームメーカーが、この中山間地域の農業を支えようと思ったのでしょうか?
「山鹿市は、2005年に1市4町が合併してできた人口4万人の市です。
周囲は中山間地域の町が多く、中山間地域の再生無くして、市の活性化はあり得ません。
中山間地域の基幹産業は農業であり、その農業の価値を創出しない限り、
中山間地域の暮らしは消滅を待つばかりです」
「私たちの狙いは、中山間地域を起点とした様々なスモールビジネスを繋げ、
相乗効果を生み出すことで地域価値を向上させる仕組みづくりにあります。
地域の価値が上がると、交流人口が増えるという好循環スパイラルが生まれ、
移住、定住者が増え、地域の自主自立の道筋が見えてきます」
こうした思いのもと、市原さんは、まず、アイスクリームメーカーを立ち上げます。
「中山間地域の農家は比較的規模が小さく、収入も低い状況にあります。
また、規格外農産物の割合は10~20%あり、価値はゼロです。
規格に合わないだけで、味は規格品とまったく変わりありません。
そこで1997年、規格外農産物を産地アイスに加工することで、価値を生み出し、
農家の所得向上に繋げようと、産地アイスメーカーを立ち上げました」
そして、2013年には中山間地域の農業にも参入。
今は、合鴨を活用した無農薬の米作り、モンブランの原料となる栗、
あんぽ柿の原料となる渋柿、ワインの原料となるブドウ、タケノコを生産しています。
さらに、4年前にはフランス菓子専門店「ricca」を整備。
riccaで販売しているモンブランの原料は、全て山鹿市の中山間地域で生産されたもので、
このお店には県内外から年間3万人のお客さんが来店。
山鹿市の観光スポットになっているということです。
「私たちの取り組みに終わりはなく、これからも地域の価値創造に挑戦していきます」
市原さん、これからもぜひ、挑戦を続けてください。
そして、市原さんの取り組みが、
中山間地域の農業を盛り上げるモデルケースになっていくといいですね。