北海道で開発が進むジャガイモの新たな品種 ゆめいころ
オンエアレポート
今回、注目するのはこちらです。2023.01.05
「北海道で開発が進むジャガイモの新たな品種 ゆめいころ」
今回のイノベーターは、「北海道立総合研究機構」の藤田涼平さんです。
提供:(地独)北海道立総合研究機構
北海道の代表的なジャガイモといえば、「男爵いも」です。
この「男爵いも」の代わりになることを期待されているのが「ゆめいころ」ということなのですが、
なぜ、「男爵いも」の代わりが必要なのでしょうか?
「『男爵いも』に限らず、既存の品種より優れるものを開発することにより、
生産者・消費者にメリットがあるとともに、北海道の農業の生産振興に貢献できるからです。
その中でも、現在は特に、
『ジャガイモシストセンチュウ』という害虫に抵抗性を持つ品種の普及が重要だと考えています。
この害虫に抵抗性を持たない品種は、収穫量が減ってしまうのですが、
『男爵いも』を始め、この害虫に抵抗性を持たない品種が、まだ多く作付けされているのが現状です」
提供:(地独)北海道立総合研究機構
こうした状況を背景に開発が進められている「ゆめいころ」。
どのような特徴があるのでしょう?
「『ジャガイモシストセンチュウ』に抵抗性を持つほか、
イモの表面に、かさぶたのような症状が出る「そうか病」という病気にも、ある程度の強さを持ちます。
また、『男爵いも』より目が浅いため、皮をむくのが楽になります。
味や風味は『男爵いも』より、あっさり・しっとりしているのが特徴です」
提供:(地独)北海道立総合研究機構
開発中だという「ゆめいころ」、今はどのような段階にあるのでしょうか?
「現在は生産者の方が作るための“種いも”を増やしている段階です。
一方で、かなり数量は限られますが、
生産者の方に試作をしていただく『普及展示』という枠組みで“種いも”の提供を行っています」
「また、今のところ大きな課題はないと考えており、今後、順調に“種いも”の増殖が進み、
消費者の皆様の手に届くことを祈っています」
藤田さんによると、「ゆめいころ」の“種いも”の増殖には「3年間」必要で、
スーパーなど店頭で購入できるようになるのは、2025年の秋を予定しているということです。
藤田さん、まだ、もう少し先ですが、「ゆめいころ」が店頭に並ぶこと、楽しみに待っています。