農業に参入した『千葉興業銀行』
オンエアレポート
2025.04.03

「農業に参入した『千葉興業銀行』」

今回のイノベーターは、千葉興業銀行が100%出資している地域商社「株式会社ちばくる」の目羅雅晴さんです。

「株式会社ちばくる」は今年1月17日、イチゴの観光農園「ちばくるファーム」をオープンしました。
銀行が農業に参入するというのは意外なイメージがありますが、どのような思いがあるのでしょう?
「2011年、銀行本体にアグリビジネスチームが発足しました。
それ以来、法人様が農業に新規参入する際の支援を実施。
この14年間にいろいろな経験・知見を積み上げ、コンサルティング活動に生かしてきました」
「イチゴの観光農園をオープンしたのは、自社農園での実証実験を通じ、新たなアグリビジネスの可能性を追求し、
千葉県の農業振興に取り組むとの思いからです」
「ちばくるファーム」は、どのような観光農園なのでしょうか?
「観光農園は高設栽培という手法で、歩きながらゆっくり、イチゴ狩りを楽しんでいただける施設です。
今年は、『紅ほっぺ』『章姫』『はるひ』『よつぼし』『かおり野』という5種類のイチゴを栽培しています」
「A棟、B棟で同時に実証実験を実施しており、
A棟は『環境負荷低減型ハウス』、B棟は『周年いちご栽培ハウス』です」

目羅さんは、この農園の責任者なのですが、農業の経験はなく、「家庭菜園程度」ということです。
「営業店の支店長ほか、本部で主に法人様への経営課題解決ご支援の業務をしてきました」
農園の責任者になるよう、言われたときについては
「驚きましたが、すぐに頑張ってみようという気持ちが高まりました」と、お話しされていました。
初めて農業に携わってみて、どのようなことを感じているのでしょう?
「農業経営の大変さを体感し、いろいろな苦労を実感しています」
「例えば、労務面では、農園の人繰り、栽培管理、収穫・選別・パック詰め出荷作業の人手。
栽培面では、薬剤散布などの病害虫対策、日中管理、食味管理。
販売面では、マーケティング活動や出荷先の選定、そこに適したパック企画などです」

農園の運営は、今後、千葉興業銀行のビジネスのどのようなところに生かされるのでしょう?
「イチゴ栽培の実証実験のハウスであり、ここで得られた経験・知見を活用し、
お客さまへのコンサルティング活動に生かしつつ、地域の課題解決や地域活性化にも貢献したいです」
今後については
「農園事業、コンサルティング事業で生まれた付加価値のある地域産品を、
さらに付加価値のあるものに磨き上げていきたいです」と、お話しされていました。

目羅さんのお話で特に印象に残ったのは「苗と向き合っているときは無心になれる」という言葉です。
目の前のやるべきことに追われる中、無心になることの大切さを改めて感じました。
そして、「ちばくるファーム」の取り組みが、農業に新規参入する際の支援につながり、
新規就農者が増えることを期待しています。
